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市場概況<2015年12月第1週>
~ECBの追加緩和に失望感広がる~

11月30日から12月4日のマーケットは、ECBの追加緩和策や米11月雇用統計か注目されました。これまでのドラギECB総裁による12月追加緩和に向けた積極的な発言から期待感が高まり、ユーロは主要通貨に対し弱含んでいましたが、蓋を開けてみると中銀預金金利が-0.2%から-0.3%へと小幅の引下げだったことや債券購入プログラムの購入枠が600億ユーロのまま据え置かれたことなどから失望。これまで軟化していたユーロは主要国通貨に対し巻き戻しユーロ円は130円台から134円台へ急伸。欧米株式市場は大幅下落となりました。
また、米国で発表された11月雇用統計は、失業率が5.0%と前回と同水準だったものの、非農業部門雇用者数は21.1万人増と強く、利上げを確信させる内容となりました。ドル円は、123円台へと強含みました。

豪州は、金融政策で政策金利を据え置き、また、7-9月期GDPが強い内容となったことで豪ドルは底堅い展開に。

日経平均株価終値は、19,504.48円と、前週末比-379.46円下落して引け。1日(火)発表された法人企業統計で設備投資が強い内容になったことを受け8月20日以来となる2万円台を回復しましたが、その後、利益確定売りや、ECBの追加緩和を受けた欧米株の下落ムードを引き継ぎました。
NYダウは、米雇用統計の内容を受けECBの失望売りから回復。週末は17,847.63ドル、前週末比+49.14ドルで取引を終了しました。米11月ISM製造業景気指数は、景気の分岐点となる50を下回り2009年6月以来の弱い内容の発表も。

為替レート終値
 ドル/円 123.16円  豪ドル/円 90.40円
ユーロ/円 133.96円  NZドル/円 83.04円
 ポンド/円 186.13円  南アランド/円 8.58円
 カナダドル/円 92.13円  スイスフラン/円 123.58円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
12月7日(月) ・日 黒田東彦日銀総裁、発言
・日 10月景気先行指数(CI)・速報値
・米 11月米労働市場情勢指数(LMCI)
・米 10月消費者信用残高(前月比)
12月8日(火) ・日 11月景気ウォッチャー調査ー現状判断DI
・中 11月貿易収支(米ドル)
・日 10月国際収支・経常収支
・日 第2四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
・豪 11月NAB企業景況感指数
・英 10月鉱工業生産指数(前月比)
・ユーロ圏 第3四半期域内総生産(GDP、改定値)(前期比)
12月9日(水) ・英 英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
・日 10月機械受注(前月比)
・日 11月マネーストックM2(前年同月比)
・豪 10月住宅ローン件数(前月比)
・中 11月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
・米 MBA住宅ロー申請指数(前週比)
・米 10月卸売在庫(前月比)
12月10日(木) ・日 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
・日 11月国内企業物価指数(前月比)
・豪 11月失業率
・英 10月貿易収支
・英 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
・米 11月輸入物価指数(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 11月月次財政収支
12月11日(金) ・米 11月小売売上高(前月比)
・米 10月企業在庫(前月比)
・米 12月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 11月19日、日銀は金融政策決定会合でこれまでの金融政策の維持を決定し、「穏やかな景気回復を続けている」との見方を据え置き。7~9月期GDPが2期連続のマイナスとなりましたが、エネルギーを除けば物価が上昇基調で賃上げに伴う物価上昇が期待できると示唆。
 米国  0.25%

10月28日FOMCは金融政策の「現状維持」を決定。ただ、声明文は次回12月の会合での利上げの可能性を強く示唆。FOMCの基本スタンスが「維持」から「利上げ」へとシフトしたことをうかがわせる。

 ユーロ圏  0.05% 12月3日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置いたものの、中銀金利を-0.2から-0.3%にするなどの追加緩和を決定。ドラギ総裁は、「適切な金融緩和を継続するためあらゆる手段を用いる」と言及。
 英国  0.50% 11月5日 8対1で据え置き。BOE(英中銀)は、政策金利を0.5%に据え置くことを発表。英国債などを買って金融市場に資金を供給する量的緩和の枠は3750億ポンド(約66兆円)を維持した。
 豪州  2.00% 12月1日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は、「主要な商品価格の下落に豪ドルは適応しつつある」と言及。
 南アフリカ  6.25% 11月19日、南ア準備銀行は、金融政策委員会で政策金利を0.25%引き上げ6.25%とすることを決定。7月以来2会合振り。電力の引き上げや干ばつによる食料価格の高騰、通貨がドルに対し下落していることによる輸入物価の上昇圧力を受けたもの。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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