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市場概況<2015年11月第1週>

~米雇用統計ポジティブサプライズに~

11月2日から6日のマーケットは、世界的な緩和ムードが広がる中、米国の雇用統計がポジティブサプライズとなりドルが主要国通貨に対し強含みました。中国製造業関係の指標が弱含んでいることなどから、ドル/円は120円台前半付近へ円が強含み、日経平均株価は4営業日振りに反落し引けるなど、今週はリスク回避ムードでスタート。

しかし、ECBによる12月追加緩和期待や豪スティーブンス中銀総裁が、「緩和策がしばらくの間、適切となる可能性」と言及したこと、また、英国の四半期インフレ報告で、2016年下期まで1%を下回る見通しを示し、シャフィク英中銀副総裁が、「現時点では刺激策を必要としていないと示しながらも、 必要なら利下げや緩和の余地がある」と言及するなど、世界的な緩和ムードがサポート。

米国では、イエレンFRB議長が「米経済は良好で、指標次第では12月利上げの可能性はある」と述べていることから、米国債利回りは上昇。前述の緩和ムードに加え、米国の利上げの可能性が加わり、ドルに対し円などの主要通貨は弱含みました。

8月、9月は米景気の先行き不安が高まる米雇用統計の内容であったことから、週末発表される10月分の数値が注視されましたが、結果は非農業部門雇用者数が27.1万人と大幅増となりポジティブサプライズに。失業率も5.0%と0.1ポイント改善しており、12月利上げに向けたしっかりと した足取りを確認。ドル/円は、123円台前半付近へと上昇しました。

日経平均株価は、反落してスタートしたものの、祝日明け4日に新規上場した郵政3社が好調な出足となったことや、上海株高がけん引役となったことで盛り返し、週末終値は19,265.60円、前週末比+182.50円で引け。

NYダウは、米景気回復への期待感から3営業日ぶりに反発。17,910.33ドルと前週末比+246.79ドルで取引を終えました。

為替レート終値
 ドル/円 123.18円  豪ドル/円 86.83円
ユーロ/円 132.31円  NZドル/円 80.39円
 ポンド/円 185.43円  南アランド/円 8.70円
 カナダドル/円 92.66円  スイスフラン/円 122.44円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
11月9日(月) ・日 9月毎月勤労統計調査-現金給与総額(前年同月比)
・加 10月住宅着工件数
・米 10月米労働市場情勢指数(LMCI)
11月10日(火) ・日 10月景気ウォッチャー調査-現状判断DI
・日 9月国際収支・貿易収支
・豪 9月住宅ローン件数(前月比)
・豪 10月NAB企業景況感指数
・中 10月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
・米 10月輸入物価指数(前月比)
・米 9月卸売在庫(前月比)
11月11日(水) ・日 10月マネーストックM2(前年同月比)
・中 10月鉱工業生産(前年同月比)
・英 9月失業率(ILO方式)
・英 10月失業保険申請件数
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・ユーロ圏 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
11月12日(木) ・日 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
・日 9月機械受注(前月比)
・日 10月国内企業物価指数(前月比)
・豪 10月失業率
・ユーロ圏 9月鉱工業生産(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 10月月次財政収支
11月13日(金) ・日 9月第三次産業活動指数(前月比)
・ユーロ圏 9月貿易収支
・ユーロ圏 第3四半期域内総生産(GDP、速報値)(前期比)
・米 10月小売売上高(除自動車)(前月比)
・米 9月企業在庫(前月比)
・米 11月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 10月30日、日銀は金融政策決定会合で「マネタリーベースが年間80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調整を行う」とのこれまでの金融市場調整方針と資産の買入れ方針の現状維持を決め、追加緩和策を見送った。
 米国  0.25%

10月28日FOMCは金融政策の「現状維持」を決定。ただ、声明文は次回12月の会合での利上げの可能性を強く示唆。FOMCの基本スタンスが「維持」から「利上げ」へとシフトしたことをうかがわせる。

 ユーロ圏  0.05% 10月22日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。ドラギ総裁は、12月に利下げを含むあらゆる金融政策を検討する可能性を示唆。
 英国  0.50% 11月5日 8対1で据え置き。BOE(英中銀)は、政策金利を0.5%に据え置くことを発表。英国債などを買って金融市場に資金を供給する量的緩和の枠は3750億ポンド(約66兆円)を維持した。
 豪州  2.00% 11月3日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は、経済見通しを「いくらか安定した」としながらも「理事らは、需要を押し上げるために適切であれば、インフレ見通しには一段の政策緩和の余地があるとみている」と言及。
 南アフリカ  6.00% 南ア準備銀行は、9月23日金融政策委員会で政策金利を6.00%に据え置きました。中銀総裁は「成長が急減速する一方、インフレは加速しており、金融政策が直面するジレンマをさらに深刻にしている」と示唆。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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