トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2015年10月第4週






市場概況<2015年10月第4週>

~日米両国の金融政策、現状維持へ~

10月26日から30日のマーケットは、日米の金融政策が注目されました。先週、ECB理事会で12月追加緩和実施の可能性について示されたことや、 中国人民銀行が利下げを行ったことから、週初の主要株式市場は上昇してスタート。日経平均株価は19,000円台を回復。ドル/円は121円台半ばへと円安が進みました。その後は、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合に関心が移り様子見ムードが広がる展開に。結局、FOMCでは、予想通り利上げが見送られましたが、年内の利上げについて12月会合で協議する強い姿勢が示されたことから、米国債利回りは上昇。ドルは主要通貨に対し強含みました。また、前回指摘した「新興国をはじめとする世界情勢が米経済を抑制」との文言は削除へ。今後は、若干後退している雇用市場の見極めやその他の経済指標が注目されるほか、来週11月4日には日本郵政グループ3社の上場も予定されており注目が集まります。
そして30日は、日銀金融政策決定会合。追加の緩和策が期待されましたが、結果、現状維持。黒田総裁は、物価目標の達成時期を2016年後半へと先送りするとしました。
また、今回の会合で、追加緩和の議論はなかったとされ、これらを受けドル/円は、円が買われ、その後円売りとなるなど乱高下。中国では、五中全会が開催さました。成長目標値は示されなかったものの、一人っ子政策の転換やサービス産業の市場開放などの施策が発表されました。豪州は、7-9月期消費者物価指数(CPI)の弱い内容が伝わると利下げ観測が台頭し、豪ドルは一時85円台半ば付近と3週間ぶりの水準まで弱含む場面も。国内、9月鉱工業生産(速報値・前月比)は、予想-0.6%、結果+1.0%と予想外に強い内容であることが確認。一方で、9月全国消費者物価指数(CPI・生鮮食料品除く)は、前年同月比-0.1%となり前回同様の水準でした。日経平均株価は、緩和期待で会合当日30日(金)は一時19,202.34円まで上昇しましたが、結局19,083.10円、前週末比+257.8円で取引を終了。NYダウは、17,663.54ドル、前週末比+16.84ドルで引けました。
今週は、米10月雇用統計、非農業部門雇用者数が注目されます。

為替レート終値
 ドル/円 120.61円  豪ドル/円 86.05円
ユーロ/円 132.66円  NZドル/円 81.65円
 ポンド/円 186.08円  南アランド/円 8.71円
 カナダドル/円 92.17円  スイスフラン/円 122.01円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
11月2日(月) ・豪 9月住宅建設許可件数(前月比)
・中 10月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 10月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
・英 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
・米 9月建設支出(前月比)
・米 10月ISM製造業景況指数
11月3日(火) ・豪 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
・英 10月建設業購買担当者景気指数(PMI)
・米 9月製造業新規受注(前月比)
11月4日(水) ・日 10月マネタリーベース(前月同月比)
・豪 9月貿易収支
・ユーロ圏 10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
・英 10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 9月卸売物価指数(PPI)(前月比)
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・米 10月ADP雇用統計(前月比)
・米 9月貿易収支
・米 10月ISM非製造業景況指数(総合)
11月5日(木) ・日 日銀・金融政策決定会合議事要旨
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)月報
・ユーロ圏 9月小売売上高(前月比)
・英 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
・米 10月チャレンジャー人員削減数(前年比)
・米 第3四半期非農業部門労働生産性・速報値(前期比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
11月6日(金) ・日 黒田東彦日銀総裁、発言
・日 9月景気先行指数(CI)・速報値
・英 9月鉱工業生産指数(前月比)
・米 10月非農業部門雇用者数変化(前月比)
・米 10月失業率
・米 9月消費者信用残高(前月比)
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 10月30日、日銀は金融政策決定会合で「マネタリーベースが年間80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調整を行う」とのこれまでの金融市場調整方針と資産の買入れ方針の現状維持を決め、追加緩和策を見送った。
 米国  0.25%

10月28日FOMCは金融政策の「現状維持」を決定。ただ、声明文は次回12月の会合での利上げの可能性を強く示唆。FOMCの基本スタンスが「維持」から「利上げ」へとシフトしたことをうかがわせる。

 ユーロ圏  0.05% 10月22日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。ドラギ総裁は、12月に利下げを含むあらゆる金融政策を検討する可能性を示唆。
 英国  0.50% 10月8日BOE(英中銀)は、政策金利を0.5%に据え置くことを発表。英国債などを買って金融市場に資金を供給する量的緩和の枠は3750億ポンド(約66兆円)を維持した。BOEは失業率が7%に下がるまで現行の金融緩和を続ける方針。
 豪州  2.00% 10月6日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置くことを決定。「長期平均を下回る緩やかな経済成長が続くため、余剰な生産力が残存し、多少の豪ドル安でも向う1~2年はインフレ目標に沿う」との見方が維持された。
 南アフリカ  6.00% 南ア準備銀行は、9月23日金融政策委員会で政策金利を6.00%に据え置きました。中銀総裁は「成長が急減速する一方、インフレは加速しており、金融政策が直面するジレンマをさらに深刻にしている」と示唆。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2015年10月第4週