~日米両国の金融政策、現状維持へ~
10月26日から30日のマーケットは、日米の金融政策が注目されました。先週、ECB理事会で12月追加緩和実施の可能性について示されたことや、
中国人民銀行が利下げを行ったことから、週初の主要株式市場は上昇してスタート。日経平均株価は19,000円台を回復。ドル/円は121円台半ばへと円安が進みました。その後は、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合に関心が移り様子見ムードが広がる展開に。結局、FOMCでは、予想通り利上げが見送られましたが、年内の利上げについて12月会合で協議する強い姿勢が示されたことから、米国債利回りは上昇。ドルは主要通貨に対し強含みました。また、前回指摘した「新興国をはじめとする世界情勢が米経済を抑制」との文言は削除へ。今後は、若干後退している雇用市場の見極めやその他の経済指標が注目されるほか、来週11月4日には日本郵政グループ3社の上場も予定されており注目が集まります。
そして30日は、日銀金融政策決定会合。追加の緩和策が期待されましたが、結果、現状維持。黒田総裁は、物価目標の達成時期を2016年後半へと先送りするとしました。
また、今回の会合で、追加緩和の議論はなかったとされ、これらを受けドル/円は、円が買われ、その後円売りとなるなど乱高下。中国では、五中全会が開催さました。成長目標値は示されなかったものの、一人っ子政策の転換やサービス産業の市場開放などの施策が発表されました。豪州は、7-9月期消費者物価指数(CPI)の弱い内容が伝わると利下げ観測が台頭し、豪ドルは一時85円台半ば付近と3週間ぶりの水準まで弱含む場面も。国内、9月鉱工業生産(速報値・前月比)は、予想-0.6%、結果+1.0%と予想外に強い内容であることが確認。一方で、9月全国消費者物価指数(CPI・生鮮食料品除く)は、前年同月比-0.1%となり前回同様の水準でした。日経平均株価は、緩和期待で会合当日30日(金)は一時19,202.34円まで上昇しましたが、結局19,083.10円、前週末比+257.8円で取引を終了。NYダウは、17,663.54ドル、前週末比+16.84ドルで引けました。
今週は、米10月雇用統計、非農業部門雇用者数が注目されます。