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市場概況<2015年9月第4週>

~米非農業部門雇用者数14.2万人 年内利上げ観測後退 ~

9月28日~10月2日のマーケットは、米雇用統計を控え動きにくい様相でした。

週初は、中国の景気減速懸念からリスク回避的な動きが続く中、同9月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表され、49.7と好不況の分かれ目50を下回ったものの、予想より良い内容であると好感。安心感が広がりました。

その後は、中国が国慶節で休場となるため市場の関心は米国の年内利上げや雇用統計へ。インド中銀は、米利上げに備えレポ金利(貸出金利)を7.25%から6.75%へと0.5%の大幅利下げを決定しするサプライズも。
注目の米9月雇用統計は、失業率が5.1%と前回と変わらず、非農業部門雇用者数は、予想20.1万人に対し14.2万人という結果。また、非農業部門雇用者数は、8月分が、17.3万人から13.6万人に、7月分が、24.5万人から22.3万人に下方修正され、雇用回復が足踏みしている印象。今週は同国要人から年内利上げに対する前向きな発言があったものの、雇用統計の結果を受け、年内利上げの見通しが遠のいたとの見方が強まりドルは主要通貨に対し下落。ドル/円は、118円台半ば付近までドル安になる場面もありました。

ユーロ圏9月消費者物価指数(HICP/速報値)は、前年同月比-0.1%と前回+0.1%より弱い内容となっていたことから、22日に行われるECB(欧州中銀)の金融政策での追加緩和策に期待が集まりました。

また、日銀短観の発表があり、大企業製造業DIは、前回より悪化したものの、非製造業については改善が続いている状況。製造業は、原油価格下落や中国をはじめとする景気減速の影響を受けており、非製造業は、インバウンド需要で宿泊や飲食サービス等がけん引しています。日経平均株価は、中国景気への不安から売られましたが、同PMIが好感されると反発。その後は、米雇用統計を控え小動きに。結局、週末終値は、17,725.13円と前週末比-155.38円と3週連続下落して引け。NYダウは、16,472.37ドルと、+157.70ドルで取引を終えました。

為替レート終値
 ドル/円 120.08円  豪ドル/円 84.56円
ユーロ/円 134.57円  NZドル/円 77.33円
 ポンド/円 182.34円  南アランド/円 8.73円
 カナダドル/円 91.22円  スイスフラン/円 123.52円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
10月5日(月) ・日 8月毎月勤労統計調査・現金給与総額(前年同月比)
・ユーロ圏 9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI,改定値)
・英 9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 8月小売売上高(前月比)
・米 9月ISM非製造業景況指数(総合)
・米 9月労働市場情勢指数(LMCI)
10月6日(火)  ・日 日銀・金融政策決定会合(1日目)
・豪 8月貿易収支
・豪 準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
・米 8月貿易収支
 10月7日(水) ・日 日銀金融政策決定会合、終了後決定内容発表
・日 年間マネタリーベース増加目標
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
・日 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
・英 8月鉱工業生産指数(前月比)
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・米 8月消費者信用残高(前月比)
 10月8日(木) ・日 9月景気ウォッチャー調査・現状判断DI
・日 8月国際収支・経常収支
・日 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
・英 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
 10月9日(金) ・豪 8月住宅ローン件数(前月比)
・英 8月貿易収支
・米 9月輸出物価指数(前月比)
・米 8月卸売在庫(前月比)
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 9月15日、日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やすなどの金融政策を維持。「穏やかな回復が続いている」との見方を維持したものの、新興国経済の減速を受け、鉱工業生産や輸出は「振れを伴いつつも持ち直している」に下方修正。物価は「当面0%程度で推移する」としました。
 米国  0.25%

9月17日FOMCにおいて、政策金利を据え置くと発表。イエレン議長は会見で「米経済は利上げを正当化するほど良い」としながらも「諸外国の経済や金融上の関わりの深さを踏まえると待つことが適切と判断した」と示しました。

 ユーロ圏  0.05% 9月3日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。月600億ユーロの資産買入れプログラムについて、1銘柄当たりの買い入れ上限を25%から33%に引き上げることを決定。ドラギ総裁は「政策委はこの日の議論で、行動する意思と用意、余力、能力があることを強調したいと考えた」とし、今後の追加緩和についてハト派的な見方を示しました。
 英国  0.50% 9月10日BOE(英中銀)は、8対1で政策金利を0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠は、3,750億ポンドに維持。中国リスクに対し、「こうした国外要因はまだ国内経済の見通しを引き下げるほど重大ではなく、実質賃金の力強い上昇や良好な信用環境、景況感や消費者信頼感の改善が成長を下支えしている」と楽観的な見方を示しました。
 豪州  2.00% 9月1日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置きました。4会合連続。スティーブンス総裁は、中国や東アジアの景気減速や世界的な株価下落に言及したものの、金融政策については、前回と同じく様子見姿勢を示しました。
 南アフリカ  6.00% 南ア準備銀行は、9月23日金融政策委員会で政策金利を6.00%に据え置きました。中銀総裁は「成長が急減速する一方、インフレは加速しており、金融政策が直面するジレンマをさらに深刻にしている」と示唆。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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