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市場概況<2015年9月第2,第3週>

~FOMC利上げ先送りへ~
9月14日~25日のマーケットは、中国経済への懸念が燻る中、FRB(米連邦準備制度)による利上げの行方が注視されました。中国経済は、8月鉱工業生産や1-8月固定資産投資が予想より弱く、8月製造業PMI(購買担当者景気指数)が7か月連続で50を割り込んだことから景気減速が再認識される格好に。

米国では、8月小売売上高が予想より弱い結果だったものの、前月比で増加し続けていることが好感。9月利上げの可能性が意識されると、ドルは主要通貨に対し強含み米株高、国債利回りは上昇しました。注目のFOMCでは、結局、利上げが見送られ、イエレン議長は「利上げには更に幾分の労働市場の改善が必要」「輸出が抑制される状況が長期化の可能性。賃金は引き続き伸び悩んでいる」と慎重姿勢。これを受け、ドルは主要通貨に対し弱含み、ドルインデックス(*)では一時3週間ぶりの低水準へ。その後、イエレンFRB議長が、年内の利上げが適切との認識を示すとムードは改善し、ドルは底堅く推移しました。

日銀金融政策決定会合が15日に行われ、これまでの金融政策の継続が発表されました。「輸出・生産面に新興国経済の影響がみられる」との文言が追加されつつも、 比較的強気の見通しが示されましたが、マーケットの影響は限定的。その他、8月全国消費者物価指数が発表され、生鮮食品を除いた指数が、前年同月比‐0.1%と2年4ヵ月ぶりにマイナスとなったことが確認。
ユーロ圏では、難民流入への対応が課題。また、独フォルクスワーゲン(VW)が欧米の排ガス規制への不正が発覚すると、欧州株が下落。米債や独債が買われ利回りは低下し、ユーロは2週間ぶりの安値水準になりました。ECBの追加緩和が期待されるところですが、ドラギ総裁は、資産購入プログラムの変更は可能であるとしつつも具体的な緩和政策に繋がる発言はありませんでした。

日経平均株価は、シルバーウィークで休場を挟み動きにくい様相の中、結局25日の終値は、17,880.51円と、週間では2週連続下落。 月初から約5.3%のマイナスで取引を終えました。NYダウ25日終値は16,314.67ドル。月初から1.3%のマイナスで引け。
*ドルインデックス・・米ドルの総合的な価値を示す指標で、円・ユーロ・ポンド・カナダドルなどの主要通貨に対するドルの価値を貿易量などを加味して表した指数。

為替レート終値
 ドル/円 120.59円  豪ドル/円 84.73円
ユーロ/円 135.09円  NZドル/円 77.01円
 ポンド/円 183.15円  南アランド/円 8.66円
 カナダドル/円 90.58円  スイスフラン/円 123.11円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
 9月28日(月) ・米 8月個人消費支出(PCE)(前月比)
・米 8月住宅販売保留指数(前月比)
9月29日(火)  ・英 8月消費者信用残高
・ユーロ圏 9月消費者信頼感(確定値)
・米 7月ケース・シラー米住宅価格指数
・米 9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
 9月30日(水) ・英 9月GFK消費者信頼感調査
・日 8月小売業販売額(前年同月比)
・日 8月鉱工業生産・速報値(前月比)
・米 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
・日 8月毎月勤労統計調査・現金給与総額(前年同月比)
・日 8月新築住宅着工戸数(前年同月比)
・英 第2四半期国内総生産(GDP、確定値)(前期比)
・ユーロ圏 8月失業率
・日 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・米 9月ADP雇用統計(前月比)
・米 9月シカゴ購買部協会景気指数
 10月1日(木) ・日 第2四半期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
・日 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
・ユーロ圏 9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
・英 9月製造業購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
・米 9月チャレンジャー人員削減数(前年比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 ISM製造業景況指数
 10月2日(金) ・日 8月失業率
・日 9月マネタリーベース(前年同月比)
・豪 8月小売売上高(前月比)
・英 9月建設業購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 8月卸売物価指数(PPI)(前月比)
・米 9月非農業部門雇用者数変化(前月比)
・米 9月失業率
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 9月15日、日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やすなどの金融政策を維持。「穏やかな回復が続いている」との見方を維持したものの、新興国経済の減速を受け、鉱工業生産や輸出は「振れを伴いつつも持ち直している」に下方修正。物価は「当面0%程度で推移する」としました。
 米国  0.25%

9月17日FOMCにおいて、政策金利を据え置くと発表。イエレン議長は会見で「米経済は利上げを正当化するほど良い」としながらも「諸外国の経済や金融上の関わりの深さを踏まえると待つことが適切と判断した」と示しました。

 ユーロ圏  0.05% 9月3日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。月600億ユーロの資産買入れプログラムについて、1銘柄当たりの買い入れ上限を25%から33%に引き上げることを決定。ドラギ総裁は「政策委はこの日の議論で、行動する意思と用意、余力、能力があることを強調したいと考えた」とし、今後の追加緩和についてハト派的な見方を示しました。
 英国  0.50% 9月10日BOE(英中銀)は、8対1で政策金利を0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠は、3,750億ポンドに維持。中国リスクに対し、「こうした国外要因はまだ国内経済の見通しを引き下げるほど重大ではなく、実質賃金の力強い上昇や良好な信用環境、景況感や消費者信頼感の改善が成長を下支えしている」と楽観的な見方を示しました。
 豪州  2.00% 9月1日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置きました。4会合連続。スティーブンス総裁は、中国や東アジアの景気減速や世界的な株価下落に言及したものの、金融政策については、前回と同じく様子見姿勢を示しました。
 南アフリカ  6.00% 南ア準備銀行は、9月23日金融政策委員会で政策金利を6.00%に据え置きました。中銀総裁は「成長が急減速する一方、インフレは加速しており、金融政策が直面するジレンマをさらに深刻にしている」と示唆。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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