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市場概況<2015年8月第2週>

~人民元ショックでマーケット混乱~

8月10日~14日は、中国が人民元の切り下げを連日行いマーケットは混乱しました。同国は、7月貿易収支が輸出・輸入がともに8%超の大幅減少で景気減速が意識されていましたが、そんな中、11日に中国人民銀行は、毎日発表している人民元の中心レートを前日比1.9%と大幅に切り下げ、その後も連日切り下げを行い、結局、3日間で4.656%調整されました。これを受けドルが強含み、豪ドルやアジア通貨は急落。アジア各国は、為替介入で自国通貨を支えました。主要国の株価や、鉄鉱石・原油などの商品も下落。一方、リスク回避で金や米国債は買われ、同10年債利回りは4月30日以来の水準まで低下しました。その後、人民銀行は、元安が行き過ぎていることから介入。緊急会見で調整はほぼ完了したと言及し、市場は落ち着きを取り戻しました。

米利上げ観測は、一連の流れで後退するとの見方が浮上しましたが、その後発表された米7月小売売上高が、しっかりした内容であったことから9月利上げの可能性への期待は残りました。日経平均株価は、週初、ドル/円が堅調なこともあり、終値で20,800円台を回復。しかし、中国の影響でその後は急落。結局、週末終値は、20,519.45円と前週末比-205.11円で引けました。NYダウは、17,477.40ドルと前週末比+104.02ドルで取引を終了しました。

為替レート終値
 ドル/円 124.25円  豪ドル/円 91.67円
ユーロ/円 138.07円  NZドル/円 81.31円
 ポンド/円 194.49円  南アランド/円 9.68円
 カナダドル/円 94.95円  スイスフラン/円 127.14円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
8月17日(月) ・日 第1四半期実質国内総生産(GDP,速報値)(年率換算)
・ユーロ圏 6月貿易収支
・米 8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
・米 6月対米証券投資(短期債除く)
8月18日(火) ・豪 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
・英 7月小売物価指数(RPI)(前年同月比)
・米 7月住宅着工件数(前月比)
・米 7月建設許可件数(前月比)
8月19日(水) ・日 7月貿易統計(通関ベース)
・日 6月全産業活動指数(前月比)
・ユーロ圏 6月経常収支
・ユーロ圏 6月建設支出(前月比)
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・米 7月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・米 連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
8月20日(木) ・英 7月小売売上高指数(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 7月景気先行指標総合指数(前月比)
・米 8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
8月21日(金) ・ユーロ圏 8月消費者信頼感(速報値)
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 8月7日日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やすなどの金融政策を維持。今年度の実質経済成長率の見通しを4月から下方修正。中国の景気減速などで輸出や生産が鈍化していることを理由としました。
 米国  0.25% 7月29日FOMCにおいて、政策金利を据え置くと発表。景気は、第1四半期の減速を克服し、エネルギー関連の低迷や海外のマイナス要因にかかわらず「穏やかに拡大」していると示唆。9月会合での利上げの可能性を残しました。
 ユーロ圏  0.05% 7月16日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。ドラギ総裁は、「景気回復の裾野が広がりつつあり、インフレ率は今後数年間で徐々に高まる」との見方を示しました。
 英国  0.50% 8月6日BOE(英中銀)は、8対1で政策金利を0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠は、3,750億ポンドに維持。来年初めに穏やかな利上げを開始する路線を維持していると示唆。
 豪州  2.00% 8月4日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置きました。前回の会合同様、今後の経済や金融環境を見て金融政策が適切か判断すると示唆。
 南アフリカ  6.00% 南ア準備銀行は、7月23日金融政策委員会で政策金利を0.25%引き上げ6.00%にすることを決定。利上げは1年ぶり。インフレは、+4.7%とインフレ目標上限の+6.0%内に収まっているものの、電気料金の値上げや干ばつによる食料価格の上昇、ランド安に備えるため、予防的に利上げを行った模様。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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