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市場概況<2015年6月第2週>

~黒田日銀総裁の巧妙な口先介入!?ドル/円122円台へ ~

6月8日~12日のマーケットは、米5月小売売上高(前月比)が前回+0.2%に対し今回+1.2%となるなど先週の雇用統計に続き米経済の底堅さを感じる週となりました。
そんな中、ホワイトハウスは否定してはいるものの報道により「G7でオバマ米大統領がドル高は問題と言及した」と伝えられたことや、黒田日銀総裁が、国会で「実質実効為替レートでは、かなり円安」「さらに円安に振れることはありそうにない」と発言したことを受け、ドル/円はドル安圧力が強まりました。特に黒田総裁の発言は、124円台から2円超下落し大きなインパクトを与えており急激な円安を是正するための巧妙な口先介入という見方も。
ユーロは、メルケル独首相による「強すぎるユーロは、スペインやアイルランドの改革を困難に」との発言を受け弱含みました。本邦長期債利回りは欧米の金利上昇を受け、一時0.505%と昨年11月以来6か月半ぶりの高水準となる場面もありましたが、欧米金利が落ち着くと買い戻されました。NZは想定外の利上げを発表。政策金利を4年3か月ぶりに引き下げ3.25%としました。乳製品の価格下落等により景気減速懸念が広がったため。これを受け、NZドルは、対ドルで4年9ヶ月ぶりの安値圏へ。

ギリシャ債務問題は、救済策を6月末から来年9月への延長を要請していると報じられるなど依然として不透明な状況。

日経平均株価は、欧米の金利上昇、株価下落などが重しとなり週末終値は20,407.08円と前週末比-53.82円で引けました。NYダウは、17,898.84円と前週末比+49.38ドルで取引を終えました。

為替レート終値
 ドル/円 123.41円  豪ドル/円 95.41円
ユーロ/円 138.87円  NZドル/円 86.15円
 ポンド/円 191.96円  南アランド/円 9.95円
 カナダドル/円 100.17円  スイスフラン/円 132.99円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
6月15日(月) ・英 6月ライトムーブ住宅価格(前月比)
・ユーロ圏 4月貿易収支
・米 6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
・米 5月鉱工業生産(前月比)
・米 6月NAHB住宅市場指数
6月16日(火) ・米 4月対米証券投資(ネット長期TICフロー)
・豪 豪中銀議事録発表
・英 5月消費者物価指数(前月比)
・ユーロ圏 第1四半期雇用者数(前期比)
・米 5月住宅着工件数(前月比)
6月17日(水) ・日 5月貿易統計(通関ベース)
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨発表
・英 5月失業率
・ユーロ圏 5月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
・米 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
・米 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
・米 イエレン米連邦準備委員会(FRB)議長、定例記者会見
6月18日(木) ・日 日銀・金融政策決定会合(1日目)
・日 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)月報
・米 第1四半期経常収支
・米 5月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・米 6月フィラデルフィア連議員製造業景気指数
6月19日(金) ・日 日銀金融政策決定会合、終了後決定内容発表
・日 4月全産業活動指数(前月比)
・日 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
・ユーロ圏 4月経常収支
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 5月22日、日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やすなどの金融政策を維持。黒田総裁は、「景気は穏やかな回復を継続している」とし個人消費や住宅投資について表現を上方修正。
 米国  0.25% 4月29日FOMCにおいて、政策金利を据え置くと発表。労働市場が弱含んでいることや経済成長の鈍化を指摘し、9月までは利上げに踏み切る用意がないと示唆。
 ユーロ圏  0.05% 6月3日ECBは、政策金利を過去最低水準の0.05%に据え置き。ドラギ総裁は、出口戦略から遠いところにいる。議論は全く行っていない。」国債利回りについて「我々はボラティリティが高い状態になれる必要がある。」と言及。
 英国  0.50% 6月4日、BOE(英中銀)は、政策金利を過去最低の0.5%で据え置きました。資産買い入れ枠は、3,750億ポンドに維持。
 豪州  2.00% 6月2日RBA(豪中銀)は、政策金利を過去最低の2.0%で据え置きました。消費は穏やかな拡大が見込まれ、今後の金利は据え置かれるとの見通し。
 南アフリカ  5.75% 南ア準備銀行は、5月21日金融政策委員会で政策金利を5.75%で据え置くことを決定。ただ、中銀総裁が「物価見通しの悪化から今の政策金利を維持するのが難しい」と言及するなど利上げが視野に。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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