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市場概況<2015年3月第3週>

~FOMC「辛抱強く」を削除~

3月16日~20日のマーケットは、米FOMC(連邦公開市場委員会)が注目されました。米3月雇用統計が強かったものの、小売りや住宅、景況感などその他の指標が弱かったこともあり、FOMC前は、利上げに対しハト派的な見方がひろがりました。しかし、結果、利上げに対し「辛抱強くなる」の文言が削除され一歩前進した格好に。ただ、イエレン議長は、利上げを急ぐという意味ではないと釘を刺しており、同時に委員のインフレ見通しも引き下げられていたことから、しばらく緩和姿勢が続くとの見方が優勢となりました。ドル/円は一時121円台前半から119円台前半となるなどドルが主要通貨に対し売られました。
今週は、日銀金融政策決定会合も開催されましたが、こちらは現状維持に。黒田総裁は会見で、原油価格の下落が想定外だったと述べましたが、上昇基調は変わっていないと強気な姿勢を示しました。本邦2月貿易収支は、32か月連続の赤字となったものの赤字幅は縮小。株式市場は堅調で、日経平均株価の週末終値は19,560.22円と前週末比+305.97円NYダウは、18,127.65ドルと+379.34ドルで取引を終えました。

為替レート終値
 ドル/円 120.04円  豪ドル/円 93.35円
ユーロ/円 129.76円  NZドル/円 90.71円
 ポンド/円 179.41円  南アランド/円 9.97円
 カナダドル/円 95.40円  スイスフラン/円 122.83円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
3月23日(月) ・米 2月中古住宅販売件数(前月比)
・ユーロ圏 3月消費者信頼感(速報値)
 3月24日(火) ・ユーロ圏 3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
・英 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・米 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・米 2月新築住宅販売件数(前月比)
3月25日(水) ・米 MBA住宅ローン申請件数(前週比)
・米 2月耐久財受注(前月比)
3月26日(木) ・ユーロ圏 2月マネーサプライM3(前年同月比)
・英 2月小売売上高指数(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
 3月27日(金) ・日 2月失業率
・日 2月有効求人倍率
・米 第4四半期実質国内総生産(GDP、確定値)(前期比年率)
・米 3月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 3月17日の日銀は、マネタリーベースを年間約80兆円増やす方針を示すなど金融政策を現状維持。黒田総裁は「原油価格の下落の影響で、物価上昇率がマイナスになる可能性も排除できない」としましたが一方で「物価の上昇基調は変わっていない」と強気な姿勢も。
 米国  0.25% 3月18日のFOMCにおいて、政策金利を据え置くと発表。「辛抱強く」との文言が削除されましたが、イエレン議長は利上げに対し「性急な姿勢になることはない」と言及。
 ユーロ圏  0.05% 3月5日、ECBは、政策金利を据え置き。3月9日から資産購入を開始すると発表。少なくとも2016年9月まで実施し、必要ならユーロ圏の物価上昇が持続的な変化をみせるまで続けるとしました。
 英国  0.50% 3月5日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%で据え置きました。5ヵ月連続。量的緩和プログラムも3,750億ポンドで現状維持を決定。
 豪州  2.25% 3月3日RBAは政策金利を過去最低の2.25%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は「当面は政策金利の据え置きが適切と判断」とし利下げ効果を見極める姿勢を示しました。
 南アフリカ  5.75% 南ア準備銀行は、3月26日の金融政策委員会で政策金利を5.75%で据え置くことを決定。昨年7月に引き上げて以来据え置き。
  
エフピー ’S Eye

~アジアインフラ投資銀行(AIIB)~
アジアインフラ投資銀行(AIIB)とは、中国が主導するアジアへのインフラ整備を主要目的とする国債金融機関で2015年の設立を目指しています。当初、米国をはじめ否定的だったメンバーが設立メンバーの締切が3月末とされたことを受け英国が名乗りを上げ、その後、独、仏、伊が参加を表明するなど反対派に亀裂が生じています。日本は、米国と同様、慎重な姿勢を維持しています。

アジア地域のインフラ整備については、すでに1966年に設立されたアジア開発銀行(ADB)が、整備を支援する国際金融機関が存在しており、日米が主導権を握っています。今回の設立は、中国の積極的な外交政策の延長線上にありアジア地域での影響力を強め存在感を高めることが狙いのようで、今後の動向が注視されます。

ーー参加国ーー
<アジア>
中国、ASEAN10か国、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラディシュ、モンゴル

<中東>
サウジアラビア、オマーン、カタール、クウェート、ヨルダン

<太平州>
モルディブ、ニュージーランド

<欧州>
ウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタン、英国、ドイツ、フランス、イタリア

*AZEAN10か国
インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナムマレーシア、ミャンマー、ラオス




尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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