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市場概況<2014年9月第1週>
~ECB追加緩和、ドル/円5年11ヵ月ぶり105円台後半へ~
 9月1日~5日のマーケットは、ECBが予想外の利下げを行ない、新たにABS(資産担保証券)やカバ-ボンドの購入策を打ち出したことから欧州株式市場は上昇。ユーロは対ドルで弱含みました。米ISM製造業、非製造業景気指数等が強い内容であったことも後押しし、ドル/円は、一時105円台後半まで上昇するなど5年11ヵ月ぶりの円安ドル高水準に。また、国内要因として、安部内閣改造で厚生労働大臣にGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)改革に積極的な塩崎氏が就任することが決まったことも材料視されました。しかし、米8月雇用統計において失業率は0.1ポイント改善し6.1%となりましたが、非農業部門雇用者数が、予想23万人増に対し、結果14.2万人増だったことからドルは下落。地政学リスクでは、ウクライナとロシアの停戦が合意され安心感が広がる一方、スコットランド独立に関する住民投票が9月18日に控えていることが懸念されました。これを受けポンドは下落。結局、今週の日経平均株価終値は、15,668.68円と前週末比244.09円プラスで引け。NYダウは、17,137.36ドルと前週末比38.91ドルプラスで取引が終了しました。
為替レート終値
 ドル/円 105.075円  豪ドル/円 98.540円
 ユーロ/円 136.080円  NZドル/円 87.54円
 ポンド/円 171.62円  南アランド/円 9.825円
 カナダドル/円 96.54円  スイスフラン/円 112.87円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
9月8日(月) ・日 7月国際収支
・日 第2四半期GDP(確報値)
・独 7月経常収支
 9月9日(火) ・日 日銀金融政策決定会合議事要旨公表(8/7~8分)
・英 7月鉱工業生産指数
・英 製造業生産高
 9月10日(水) ・日 8月国内企業物価指数
・日 7月機械受注
 9月11日(木) ・NZ RBNZ(NZ中銀)政策金利発表
・中 8月消費者物価指数(CPI)
・豪 8月失業率
・独 8月消費者物価指数(確報値)
・米 新規失業保険申請件数
 9月12日(金) ・ユーロ圏 欧州、ウクライナ、ロシア貿易協議
・日 7月鉱工業生産指数(確報値)
・日 黒田日銀総裁の講演
・ユーロ圏 7月鉱工業生産指数
・米 8月小売売上高
・米 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 9月4日、日銀はマネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状維持を全員一致で決定。個人消費について、雇用・所得環境が着実に改善するものとし、基調的には底堅く推移しており駆け込み需要の反動の影響も徐々に和らぎつつあるなど依然として強気の姿勢を示しました。
 米国  0.25% 7月30日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。量的緩和策については、これまで同様MBSと米国債購入を50億ドルずつ縮小。労働市場やインフレに対する見方が上方修正されましたが、同時に労働力の余剰も指摘され現状の金利を相当期間維持するのが適切と言及。
 ユーロ圏  0.15% 9月4日、ECBは市場予想に反し、政策金利を0.1%引き下げ0.05%に。また、ABS(資産担保証券)やカバード・ボンドの買い取りを10月から実施するとしました。
 英国  0.50% 9月4日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%、資産買い入れ枠を3,750億ポンドで据え置きました。
 豪州  2.50% 9月2日、RBAは政策金利を過去最低の2.50%に据え置くことを決定。13カ月連続。豪中銀(RBA)は「主要な商品価格の下落を考慮すると、その基礎的価値に関する予想の大半を引き続き上回っている」とインフレ、通貨高に対する懸念を示しました。
 南アフリカ  5.50% 7月17日、SARBは政策金利を0.25%引き上げ5.75%としました。2014年1月以来の利上げ。中銀は「国内経済の支援に向けた金融政策スタンスを維持する」と示唆しています。
エフピー ’S Eye
~ECB(欧州中央銀行)、予想外の追加緩和策~
ECBは、4日、追加の金融緩和策を発表しました。政策金利は0.1ポイント引き下げ0.05%とし、上限金利の限界貸出金利を0.1ポイント下げ0.30%、下限金利の中銀預金金利も0.1ポイント引き下げ-0.2%としました。また、10月からABS(資産担保証券)やカバードボンド(担保付債権)の買い入れを開始するとしました。追加の利下げは、TLTRO(銀行融資拡大を目的とした資金供給)を年内に最大4,000億ユーロ実施するとしている中、更に適用金利を引き下げ金融機関の利用を促す狙いがあるようで、デフレや景気悪化への対策がなされました。今後は、日欧と米国の金融政策の方向性の違いを受け、ユーロや円は対ドルで弱含み、ユーロ/円は、横ばいで推移するとみられています。

ECBの経済見通し
  2014年  2015年  2016年 
実質GDP  0.9% 1.6%  1.9% 
 消費者物価指数  0.6% 1.1%  1.4% 



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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