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市場概況<2014年8月第4週>
~ドル/円強気でスタートするも徐々に円高方向へ~
 8月25日~29日のマーケットは、イエレンFRB議長が、前週末のジャクソンホールの講演において利上げの前倒しを示唆したことで、主要通貨に対しドルが買われスタートしました。ドル/円は、一時7カ月ぶりの104円台半ばまで上昇しましたが、その後はロシアがウクライナに砲弾を行なったなどの地政学リスクが嫌気され103円台半ばまで押し戻されました。ユーロは、ドラギECB総裁による緩和的な発言を受け下落。日経平均株価は、米株式市場の動きより円相場に左右される展開でしたが、月曜日が米市場が休場であることや、米雇用統計やECB理事会を控えていることもあり次第に動き難い展開に。結局、週末の日経平均終値は、15,424.59円と114.60円下落し引けました。NYダウは、17,098.45ドルと97.23ドル上値を伸ばし取引終了。米S&P500は、史上初の2,000ポイント超えに。
為替レート終値
 ドル/円 104.060円  豪ドル/円 97.190円
 ユーロ/円 136.690円  NZドル/円 87.06円
 ポンド/円 172.72円  南アランド/円 9.755円
 カナダドル/円 95.71円  スイスフラン/円 113.38円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
9月1日(月) ・米 労働感謝の日で休場
・加 勤労感謝の日で休場
・中 8月製造業購買担当者景気指数(PMI)
・中 HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI/確報値)
・独 第2四半期国内総生産(GDP/確報値)
・独 8月製造業購買担当者景気指数(PMI/確報値)
・ユーロ圏 8月製造業購買担当者景気指数(PMI/確報値)
・英 8月製造業購買担当者景気指数(PMI)
 9月2日(火) ・豪 第2四半期経常収支
・日 7月現金給与総額
・豪 RBA政策金利発表
・米 8月ISM製造業景況指数
 9月3日(水) ・中 8月非製造業購買担当者景気指数(PMI)
・豪 第2四半期国内総生産(GDP)
・中 8月HSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)
・豪 スティーブンスRBA総裁の講演
・ユーロ圏 8月サービス業購買担当者景気指数(PMI/確報値)
・英 サービス業購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 第2四半期国内総生産(GDP/改定値)
・米 ベージュブック(地区連銀経済報告)公表
 9月4日(木) ・日 日銀金融政策決定会合、結果公表
・ユーロ圏 NATO(北大西洋条約機構)首脳会議
・豪 7月貿易収支
・豪 7月小売売上高
・独 7月製造業生産高
・英 英中銀(MPC)政策金利発表
・ユーロ圏 ECB政策金利発表
・米 8月ADP雇用統計
・米 新規失業保険申請件数
・米 7月ISM非製造業景況指数
 9月5日(金) ・米 パウエルFRB理事講演
・米 8月非農業部門雇用者数
・米 8月失業率
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 8月8日、日銀はマネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状維持を決定。消費税引き上げに伴う反動減が見られる中、基調的には穏やかに回復を続けていると景気判断を維持。ただ、生産や輸出については、足元で弱めの動きなど前月からの判断を下方修正しました。
 米国  0.25% 7月30日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。量的緩和策については、これまで同様MBSと米国債購入を50億ドルずつ縮小。労働市場やインフレに対する見方が上方修正されましたが、同時に労働力の余剰も指摘され現状の金利を相当期間維持するのが適切と言及。
 ユーロ圏  0.15% 8月7日、ECBは政策金利を0.15%、預金金利を-0.1%に据え置くことを決定。TLTROの実施日は予定通り9月と12月。ドラギ総裁は、低インフレや地政学リスクを警戒し、景気の下振れリスクが大きいことを示唆。
 英国  0.50% 8月7日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%、資産買い入れ枠を3,750億ポンドで据え置きました。GDPや失業率は堅調に推移しているものの、賃金の伸びやインフレ率が低いことから金利の引き上げには慎重な様子。
 豪州  2.50% 8月5日、RBAは政策金利を過去最低の2.50%に据え置くことを決定。豪中銀(RBA)は「現行の政策は、景気とインフレの見通しに沿う」とし、今後2年間のインフレ率は目標である年2~3%内で推移するとの見方を示しました。
 南アフリカ  5.50% 7月17日、SARBは政策金利を0.25%引き上げ5.75%としました。2014年1月以来の利上げ。中銀は「国内経済の支援に向けた金融政策スタンスを維持する」と示唆しています。
エフピー ’S Eye
 ジャクソンホールでの公演において、イエレンFRB議長は、労働市場の回復が大前提であるとしながらも米景気が拡大していることを示唆。一方、ドラギECB総裁は、ユーロ圏のインフレ期待が短期的にも中長期的にも大幅に低下していることから、中期的な物価安定のために利用可能なあらゆる手段を行使すると述べるなど、両国の金融政策の方向性の違いが明らかになりました。また、ユーロ圏は、独IFO企業景況感指数が4ヵ月連続低下をしていることもECBの緩和期待に繋がっており、独10年物国債の利回りは1%を割り込んでいます。これにより2.3~2.4%程度の米長期債利回りとの金利差が意識され、対ドルでユーロが売られるなど主要通貨に対してもユーロは弱含んでいます。ドル/円の行方も、日米の金融政策の違いから円安トレンドは続くとの見方が市場のコンセンサスとなっています。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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