トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2014年7月第4週














































市場概況<2014年7月第4週>
~リスクオフムードの中、ドル/円は強く103円台へ。日経平均も堅調~
 7月28日~8月1日のマーケットは、米第2四半期GDPや6月雇用統計、アルゼンチンなどの地政学リスクが材料視されました。注目の米第2四半期GDP(年率換算)は、市場予想+3.0%に対し結果+4.0%と強い内容となり、また、第1四半期GDPについても前回発表の-2.9%から-2.1%へと上方修正。これを受け早期利上げ観測が高まり、NYダウは下落。アルゼンチンの債務問題やポルトガルの大手銀行株が急落していることも相場を押し下げました。米6月雇用統計は、予想より弱い内容。FOMCは、労働市場は依然注意が必要としながらも、雇用とインフレに対する見方は上方修正。リスクオフムードの中、ドル/円は、ドルが買われ一時103円台をつける場面もありました。ユーロは、低インフレが定着していることが材料視され、ユーロ/ドルは1.33ドル台後半へと年初来安値を更新。日経平均株価は、米株安の局面でも円が主要国に対し強含むことなく、合わせて好業績銘柄への買いも散見され4営業日続伸となりました。ただ、週後半は、過熱感や米雇用統計の発表を控え続落。結局、15,523.11円と前週末比+65.24円で引けました。NYダウは、16,493.37ドルと前週末比-467.20ドルで取引を終了しました。
為替レート終値
 ドル/円 102.610円  豪ドル/円 95.545円
 ユーロ/円 137.710円  NZドル/円 87.28円
 ポンド/円 172.57円  南アランド/円 9.600円
 カナダドル/円 93.92円  スイスフラン/円 113.19円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
8月4日(月) ・日 7月マネタリーベース
・豪 6月小売売上高 
 8月5日(火) ・豪 6月貿易収支
・中 7月HSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)
・豪 RBA(豪中銀)政策金利発表
・ユーロ圏 7月サービス業購買担当者景気指数(PMI/確報値)
・英 7月サービス業購買担当者景気指数(PMI)
・米 7月ISM非製造業景況指数
 8月6日(水) ・NZ 第2四半期失業率
・英 6月鉱工業生産指数
・英 6月製造業生産高
 8月7日(木) ・日 日銀金融政策決定会合(1日目)
・豪 7月失業率
・英 MPC(英中銀)政策金利発表
・ユーロ圏 ECB政策金利発表
・米 新規失業保険申請件数
・ユーロ圏 ドラギECB総裁講演
 8月8日(金) ・日 日銀金融政策決定会合の結果公表
・中 7月貿易収支
・日 6月国際収支 
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 7月15日、日銀はマネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状維持を決定。消費増税前の駆け込み需要の反動減は和らいでいる、日米の金融政策の方向性の違いから、円がドルに対し強くなる必然性はないなど示しました。
 米国  0.25% 7月30日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。量的緩和策については、これまで同様MBSと米国債購入を50億ドルずつ縮小。労働市場やインフレに対する見方が上方修正されましたが、同時に労働力の余剰も指摘され現状の金利を相当期間維持するのが適切と言及。
 ユーロ圏  0.15% 7月3日、ECBは政策金利を0.15%で据え置き。前回6月の会合で決定したTLTROsの実施日を9月18日と12月1日と発表。今回は、ABS(資産担保証券)購入は見送られましたが、ドラギ総裁は、必要ならQE(量的緩和)を含めた追加措置を実施する用意があると言及。
 英国  0.50% 7月10日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠も3,750億ポンドに維持しました。声明の発表はありませんでしたが、8月13日のインフレ報告でのカーニー総裁の発言が注目されます。
 豪州  2.50% 7月1日、RBAは政策金利を過去最低の2.50%に据え置くことを決定。豪中銀(RBA)は、「現時点における最も賢明な方向は、政策金利の安定化である」と、引き続き慎重な姿勢を示しました。
 南アフリカ  5.50% 7月17日、SARBは政策金利を0.25%引き上げ5.75%としました。2014年1月以来の利上げ。中銀は「国内経済の支援に向けた金融政策スタンスを維持する」と示唆しています。
エフピー ’S Eye
~アルゼンチン国債デフォルト再び!?~
 2001年、通貨暴落によりアルゼンチン国債約950億ドルに対する利払いが滞りデフォルトしました。その後、投資家に75%の債務カットと新債券への債務再編を求め約90%の投資家がこれに応じましたが、反対する投資家の一部であるヘッジファンドが米裁判所に提訴しており、今年6月16日”新債券への利払いを行う場合、債務再編を拒否した投資家に元利金を支払わなければならない”旨の判決が下されました。アルゼンチン政府は交渉を行いましたが、結局、新債券に対する利払い猶予期限7月30日を迎えデフォルト。ただ、支払資金を既に預託していたことや、今回の判決は、米国法や英国法に準拠する債券に限られているため、アルゼンチン法のもとに発行されたものは利払いが正常に行われていることから、現時点ではアルゼンチン自体が大きく信用力を逸したものではないようです。ただ、アルゼンチンの外貨準備は290億ドル程度と潤沢ではないため、仮にヘッジファンドへの全額支払いに応じた場合、他の債権者への支払いや増額が求められる可能性が高まり外貨準備が底をつく可能性があります。今後の動向には十分な注意が必要です。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2014年7月第4週