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市場概況<2014年7月第2週>
~ウクライナ上空でマレーシア機撃墜 リスク回避へ ~
 7月14日~18日のマーケットは、イエレン議長による議会証言や、ウクライナでの地政学リスクに反応。注目されたイエレン議長の発言は、労働市場のたるみについて述べられ、当面、緩和姿勢を継続することが適切であると示しながらも、予想以上に経済が改善すれば早期の利上げの可能性があることについても言及しており、これを受けドルは主要通貨に対し買い、NYダウは史上高値を更新しました。しかし、その後、ウクライナ上空にてマレーシア航空機が撃墜される大参事があり、調査中としながらも新ロシア派が関与しているとの報道を受けリスク回避へ。ドル/円は、101円台前半まで買われるなど円が買われる展開に。ドルも円以外の通貨に対して強含みました。日銀金融政策決定会合は、これまでの緩和姿勢と変わらず予想通り。日経平均株価は、米国市場が堅調であったり円が弱含む場面では底堅く推移しましたが、国内企業決算を見極めたいとの見方や、前述の地政学リスクの影響が足を引っ張りました。結局、日経平均株価は、15,215.71円と前週末比51.67円と小幅のプラスで引け。NYダウは、今週に入り再び17,000ドル台を回復し、週半ばには史上高値を更新。終値は17,100.18ドル、前週末比156.37ドルで取引を終えました。
為替レート終値
 ドル/円 101.340円  豪ドル/円 95.175円
 ユーロ/円 137.105円  NZドル/円 88.02円
 ポンド/円 173.19円  南アランド/円 9.510円
 カナダドル/円 94.42円  スイスフラン/円 112.85円
※週末の東京金融取引所清算価格より 
今後の注目指標
7月21日(月)
 7月22日(火) ・日 5月景気先行指数(CI/改定値)
・米 6月消費者物価指数(CPI)
・米 6月中古住宅販売件数
 7月23日(水) ・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
・ユーロ圏 7月消費者信頼感(速報値)
 7月24日(木) ・NZ NZ準備銀行(RBNZ)政策金利発表
・日 6月貿易統計(通関ベース)
・中 7月HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI/速報値)
・ユーロ圏 7月製造業購買担当者景気指数(PMI/速報値)
・米 新規失業保険申請件数
・米 6月新築住宅販売件数
・日 黒田日銀総裁の発言
 7月25日(金) ・日 6月全国消費者物価指数(CPI)
・英 第2四半期国内総生産(GDP/速報値)
・米 6月耐久財受注
 主要国の政策金利等
 国名 政策金利   コメントなど
 日本 ( 0.1% 7月15日、日銀はマネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状維持を決定。消費増税前の駆け込み需要の反動減は和らいでいる、日米の金融政策の方向性の違いから、円がドルに対し強くなる必然性はないなど示しました。
 米国  0.25% 6月18日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。量的緩和策については、これまで同様、MBSと米国債購入を50億ドルずつ縮小。経済活動や雇用が改善し個人消費も穏やかに拡大しているなど、前回より明るい見通しが示されました。
 ユーロ圏  0.15% 7月3日、ECBは政策金利を0.15%で据え置き。前回6月の会合で決定したTLTROsの実施日を9月18日と12月1日と発表。今回は、ABS(資産担保証券)購入は見送られましたが、ドラギ総裁は、必要ならQE(量的緩和)を含めた追加措置を実施する用意があると言及。
 英国  0.50% 7月10日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠も3,750億ポンドに維持しました。声明の発表はありませんでしたが、8月13日のインフレ報告でのカーニー総裁の発言が注目されます。
 豪州  2.50% 7月1日、RBAは政策金利を過去最低の2.50%に据え置くことを決定。豪中銀(RBA)は、「現時点における最も賢明な方向は、政策金利の安定化である」と、引き続き慎重な姿勢を示しました。
 南アフリカ  5.50% 7月17日、SARBは政策金利を0.25%引き上げ5.75%としました。2014年1月以来の利上げ。中銀は「国内経済の支援に向けた金融政策スタンスを維持する」と示唆しています。
エフピー ’S Eye
~世界のREIT市場と小売売上高~
 世界のREIT市場のセクター別割合は、小売が全体の約3割を占めています。小売店舗の賃料は、固定部分以外に売上高等に連動する変動賃料が設定されていることもあるため、小売売上高が好調な局面では変動賃料を設定している不動産オーナーは収益増に繋がります。また、固定賃料の場合でも「小売売上高が堅調」=「賃料支払能力の向上」で今後の家賃引き上げ予知を高めます。
 例えば、純資産高でトップの新光投信の「US-REITオープン愛称”ゼウス”」やフィデリティUSリートファンドは投資先の約26%が小売に配分(2014年6月末現在)されており、運用成績の一因を担います。REITは景気や金利の影響を受けやすい資産ですが、同時にインフレに強いのも強みです。REIT市場の俯瞰に、小売売上高の動向も合わせて確認したいところですね。

<世界のリート市場セクター別時価総額構成比>
 小売 31.6% 
 複合 19.3% 
 オフィス 14.4% 
 住宅 10.9% 
 その他 23.8% 
2014年6月末S&PグローバルREIT指数を基に算出



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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