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市場概況<2014年6月第4週> |
~株式市場、利益確定で調整ムード広がる~
6月23日~27日のマーケットは、これまで史上高値を更新していた欧米株に加え日本株も過熱感が意識され、利益確定で調整色が強い週となりました。米国の5月住宅販売件数や中国の5月PMI(製造業購買担当者景気指数)が強い内容を示したことなど相場の下支えになりましたが、米第1四半期GDPの確報値が、予想△1.8%に対し結果△2.9%とネガティブサプライズがあり、ウクライナやイラク情勢への地政学リスクも依然として懸念材料になっていることが調整ムードを促しました。また、米セントルイス連銀のブラード総裁が、来年3月までに利上げをすべきと言及したことも株価押し下げ要因に。ドル/円は、これまで102円を挟んだ展開でしたが、米国債との金利差縮小から円が買われ101円台前半付近に。他の主要通貨に対しても円が強含む展開になりました。豪ドルやNZドル、カナダドルなどの資源国通貨は、中国PMIや原油高から底堅く推移。結局、日経平均株価は、15,095.00円と前週末比△254.42円で引けました。NYダウは、16,851.84ドルと前週末比△95.24ドルで取引を終了。 |
為替レート終値 |
ドル/円 |
101.395円 |
豪ドル/円 |
95.610円 |
ユーロ/円 |
138.400円 |
NZドル/円 |
89.01円 |
ポンド/円 |
172.79円 |
南アランド/円 |
9.570円 |
カナダドル/円 |
95.10円 |
スイスフラン/円 |
113.80円 |
※週末の東京金融取引所清算価格より |
今後の注目指標 |
6月30日(月) |
・日 5月鉱工業生産(速報値)
・ユーロ圏 6月消費者物価指数(HICP/速報値)
・加 4月月次国内総生産(GDP)
・米 6月シカゴ購買部協会景気指数 |
7月1日(火) |
・日 第1四半期日銀短観
・中 6月製造業購買担当者景気指数(PMI)
・中 6月HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI/改定値)
・豪 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表
・ユーロ圏 6月製造業購買担当者景気指数(PMI/改定値)
・米 6月ISM製造業景況指数 |
7月2日(水) |
・米 6月ADP雇用統計
・米 5月製造業新規受注
・米 イエレンFRB議長の発言 |
7月3日(木) |
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
・ユーロ圏 ドラギECB総裁の定例記者会見
・米 5月貿易収支
・米 6月非農業部門雇用者数変化
・米 6月失業率
・米 新規失業保険申請件数
・米 6月ISM非製造業景況指数(総合) |
7月4日(金) |
・米 独立記念日で休場 |
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主要国の政策金利等 |
国名 |
政策金利 |
コメントなど |
日本 |
( 0.1%) |
6月13日、日銀はマネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状維持を全員一致で決定。4月の消費増税の影響は想定内で、夏以降は景気が回復に向かうと強調。物価目標2%達成への自信をみせました。 |
米国 |
0.25% |
6月18日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。量的緩和策については、これまで同様、MBSと米国債購入を50億ドルずつ縮小。経済活動や雇用が改善し個人消費も穏やかに拡大しているなど、前回より明るい見通しが示されました。 |
ユーロ圏 |
0.15% |
6月5日、ECBは政策金利を0.1%引き下げ、過去最低の0.15%に。中銀預金金利を0%から-0.1%に引き下げ、初のマイナス金利を導入しました。ドラギ総裁は、資産買入れによる量的緩和策を見送りましたが、必要であれば更なる措置を講じると強い姿勢を示しました。 |
英国 |
0.50% |
6月5日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%で据え置くことを決定。資産買い入れ枠も3,750億ポンドに維持しました。IMF(国際通貨基金)は、2014年GDPを2.9%と予想しており、G7の中で最も高い成長率を示していますが、カーニー総裁は、インフレ圧力が低い状態が続く限り低金利を維持する姿勢を継続。 |
豪州 |
2.50% |
6月3日、RBAは政策金利を9会合連続で、過去最低の2.50%に据え置くことを決定。豪中銀は、「年明け以降の豪景気は、幾分底堅さを増しているように見える」としながらも「現状では、一定期間の金利安定が賢明」と慎重な姿勢を維持しました。 |
南アフリカ |
5.50% |
5月22日、SARBは政策金利を5.5%に据え置き。4月消費者物価指数(CPI)が、6.1%と目標レンジの3~6%を超え、依然としてインフレ率が高い状況が続いていますが、利上げによる景気への影響に配慮しました。 |
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エフピー ’S Eye |
~株式市場の過熱度 騰落レシオ~
株式市場において、市場参加者の過熱感をはかる「騰落レシオ」という指標があります。これは、値下がりの銘柄数を値上がりの銘柄数で除して%であらわしたもので、買われすぎや売られすぎの度合が分かります。一般に120%を超えると買われすぎ、70%を割ると売られすぎとされており、一定の範囲内で上下に推移します。東証一部の騰落レシオは6月に入り120%を超えており、今週前半は160%超(25日移動平均)でしたが、週末にかけ調整が入り現在は(6/27)130%台となっています。ライフプラン実現に基ずく資産運用は、長期的な視点が大前提ではありますが、マーケットの流れを知るうえで知っておくと有用な指標となっています。 |