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市場概況<2013年8月第1週> |
~夏休み相場の中、ボラティリティが大きな週に~
5日(月)~9日(金)までのマーケットは、主要通貨に対しドル売り圧力が強く、日経平均は、ボラティリティが大きな週となりました。
夏休みで相場が閑散とする中、ドル/円は、週初99円近辺から一時95円台まで下落。FRB高官からQE3(量的緩和第3弾)の早期縮小を示唆する発言がありましたが、材料不足でドルは売られる展開に。株式市場は軟調で、日経平均株価は円高地合いに加え週末にオプションSQ(特別清算指数)を控える中、先物に思惑的な売りがあったことからボラティリティが大きくなりました。日銀金融政策決定会合では、全会一致で政策の据え置きを決定し市場の反応は限定的。結局、週末の日経平均株価は、13,615.19円と前週末比5.9%程度下落。NYダウは、15,425.51ドルと前週末比-1.5%程度下落して取引を終えました。
英中銀のカーニー総裁は、インフレ報告と合わせフォワードガイダンスを示し、利上げの目安として失業率7%、2016年第3四半期が達成の目途であることを示しました。これによりポンドは主要通貨に対し序盤売られる展開でしたが、強い経済指標が相次ぐ中、7%の達成は早期であることが意識され、その後はポンド買いとなりました。
豪州の金融政策の発表では、市場の予想通り政策金利を0.25%引き下げ2.5%としました。これを受け豪ドル/円は、一時86円台半ば付近まで売られましたが、週末に中国の7月鉱工業生産が強い内容となったことがサポートしており、また豪ドル売りの一服感もありその後は底堅く推移しました。 |
為替レート終値 |
ドル/円 |
96.185円 |
豪ドル/円 |
88.420円 |
ユーロ/円 |
128.360円 |
NZドル/円 |
77.34円 |
ポンド/円 |
149.13円 |
南アランド/円 |
9.820円 |
カナダドル/円 |
93.44円 |
スイスフラン/円 |
104.32円 |
※週末の東京金融取引所清算価格より |
今後の注目指標 |
8月12日(月)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
13:30
27:00 |
・日 7月国内企業物価指数
・日 6月鉱工業生産・確報値
・米 7月月次財政収支 |
+2.0%
-900億USD |
+1.2%
-3.3%
1165億USD |
8月13日(火)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
17:00
18:00
18:00
21:30
21:30
23:00 |
・日 6月機械受注
・英 7月消費者物価指数(CPI)
・ユーロ圏 6月鉱工業生産
・ユーロ圏 8月ZEW景況感調査
・米 7月小売売上高
・米 7月輸入物価指数
・米 6月企業在庫 |
-7.9%
0.0%
1.1%
+0.4%
+0.9%
+0.3% |
+10.5%
-0.2%
-0.3%
32.8
+0.4%
-0.2%
+0.1% |
チェック!8:50 日銀が金融政策決定会合の議事要旨を発表します。 |
8月14日(水)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
17:30
18:00
20:00
21:30 |
・英 7月失業率
・ユーロ圏 四半期域内総生産(GDP、速報値)-4Q
・米 MBA住宅ローン申請指数
・米 7月卸売物価指数(PPI) |
4.4%
+0.2%
+0.4% |
4.4%
-0.2%
+0.2%
+0.8% |
チェック!17:30 英中銀が金融政策委員会(MPC)の議事要旨を発表します。 |
8月15日(木)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
21:30
21:30
21:30 |
・日 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
・米 8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
・米 7月消費者物価指数(CPI)
・米 前週分新規失業保険申請件数 |
10.00
+0.2% |
-422億円
9.46
+0.5%
33.3万件 |
8月16日(金)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
17:00
18:00
21:30
21:30
22:55 |
・ユーロ圏 6月経常収支
・ユーロ圏 6月貿易収支
・米 7月住宅着工件数
・米 7月建設許可件数
・米 8月ミシガン大学消費者態度指数(速報値) |
90.0万件
+2.9%
85.5 |
196億ユーロ
152億ユーロ
80.6万件
-6.8%
85.1 |
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主要国の政策金利等 |
国名 |
政策金利 |
コメントなど |
日本 |
0.1% |
8月8日、日銀は、マネタリーベース(資金供給量)を年間60~70兆円増加させるなど現状を維持。景気判断は「穏やかに回復しつつある」と前回と変わりませんでしたが、消費者物価指数(コア)を「プラスに転じている」、予想物価上昇率を「全体として上昇している」と前回より強い表現に変更。 |
米国 |
0.25% |
7月31日のFOMCで、政策金利を据え置くと発表。月850億ドルのMBSと米国債購入を継続し、量的緩和の縮小は、労働市場の見通しが大幅に改善するまで続けると改めて強調。ゼロ金利は、資産購入終了後も相当期間継続するののが適切とした。 |
ユーロ圏 |
0.50% |
8月1日、ECBは政策金利を0.50%に据え置くことを決定。ドラギ総裁は「理事会は、ECBの主要政策金利が長期間にわたり現在の水準、もしくは下回る水準にとどまると予想している」と発言しフォアードガイダンス(将来の金融政策指針)を改めて示した。 |
英国 |
0.50% |
8月1日、BOEは、政策金利を0.5%で据え置くことを決定し、資産買い入れ枠を3,750億ポンドに維持。 |
豪州 |
2.50% |
8月6日、RBAは政策金利を0.25%引き下げ過去最低の2.50%に決定。豪中銀は「物価などの最近の情報を考慮し、政策金利を一段と低下させることが適切と判断した」と言及。 |
南アフリカ |
5.00% |
7月18日、SARBは市場予想通り政策金利を5%に据え置き。2012年7月の利下げ以降、6回合連続。通貨の下落と原油価格の上昇を受け、2013年~2015年のインフレ予想を引き上げられ、景気見通しは、電力供給の制約を主な理由に引き下げられた。 |
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エフピー ’S Eye |
~今後のドル/円の動きは?~
今年5月に103円台後半付近まで上昇したドル/円は、QE3(量的緩和策第3弾)の縮小への思惑などから95円台まで下落しました。今後も米国をはじめ中国などの経済動向には注視したいところですが、中長期的に見ると円安基調は続く見方が大半です。資産運用は長期的目線で見通すことが大切です。
☆主な円安要因☆
・日銀による量的緩和策の継続
・2%の物価上昇による円安圧力(購買力平価説)
・貿易収支が赤字基調、日本経済の構造上の変化
・米国において、QE3の縮小が検討されていること
・米国において、シェールガス採掘による貿易赤字の改善 など |