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市場概況<2013年5月第1週> |
~好調な日米欧株式市場、ドル/円は100円の大台を突破~
5月6日(月)~5月10日(金)は、前週の好ムードを引き継ぎスタート。日米欧の株式市場は揃って上昇し、100円の大台を前に足踏みが続いていたドル/円は一気に上抜け、102円台を目指す転回となりました。
週明け6日(月)は、国内はGW最終日、英国も祝日というの中で始まりましたが、前週発表された米雇用統計が好調だったことからリスク選考ムードが継続しました。ユーロ圏においては、独や伊の非製造業PMIがそれぞれ強い内容となり安心感が広がりましたが、ドラギECB総裁が「データを監視し、場合によっては行動する用意がある」と言及したことが影響し、マイナス金利が意識されユーロ主要通貨で売られるなど神経質な場面もありました。独3月製造業受注や同3月鉱工業生産はマイナスとの予想が其々+2.2%、+1.2%と予想を上回ったことが伝わると欧州株式市場は上昇、独DAXは3日連続過去最高値を更新しました。ユーロも主要通貨に対し堅調に推移。また、今週はスペイン国債の入札もありましたが、無難にこなしました。
国内でもリスク選考ムードを受け、連休明け7日(火)、日経平均は寄り付きから200円超の大幅高で始まり、4年11ヵ月ぶりに14,000円台を回復。翌8日(木)になると、一時14,400円台を上抜け更に勢いのある展開に。ドル/円は、100円の大台を前に上値が重い展開が続いていましたが、米新規失業保険申請件数が良好だったことや、米10年債利回りが約5週間ぶりの高い水準で推移していることを切っ掛けに100円の大台を突破。日経平均株価の勢いにも引っ張られ、101円台を上抜け102円を目指す転回になるなど2008年10月以来の高値を付けました。英国は、政策金利を据え置きました。
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為替レート終値 |
ドル/円 |
101.580円 |
豪ドル/円 |
101.700円 |
ユーロ/円 |
131.9000円 |
NZドル/円 |
84.32円 |
ポンド/円 |
156.02円 |
南アランド/円 |
11.170円 |
カナダドル/円 |
100.45円 |
スイスフラン/円 |
106.08円 |
※週末の東京金融取引所清算価格より
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今後の注目指標 |
5月13日(月)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
21:30 |
・日 4月マネーストックM2(前年同月比)
・米 4月小売売上高(前月比) |
+3.1%
-0.3% |
+3.1%
-0.5% |
5月14日(火)
時間 |
注目点 |
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予想 |
前回 |
8:50
18:00 |
・日 4月国内企業物価指数(前月比)
・ユーロ圏 3月鉱工業生産(前月比) |
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+0.1%
+0.5% |
+0.1%
+0.3% |
5月15日(水)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
14:00
17:30
18:00
18:30
21:30
22:15 |
・日 4月消費者態度指数・一般世帯
・英 4月失業率
・ユーロ圏 第1四半期域内総生産(GDP、速報値)(前期比)
・英 英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)発表
・米 5月ニューヨーク連銀製造業景気指数
・米 4月鉱工業生産(前月比) |
45.5
+4.6%
-0.1%
4.00
-0.2% |
44.8
+4.6%
-0.6%
3.05
+0.3% |
5月16日(木)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
13:30
18:00
21:30
21:30
23:00 |
・日 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)-1Q(前期比)
・日 3月準工業生産・確報値(前月比)
・ユーロ圏 3月貿易収支
・米 4月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 |
+0.7%
+0.9%
229億EUR
-0.3%
33.0万件
2.0 |
+0.0%
+0.2%
+0.2%
101億EUR
-0.2%
32.3万件
1.3 |
5月17日(金)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
17:30
18:00
22:55 |
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
・ユーロ圏 4月建設支出
・米 5月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 |
78.0 |
-0.8%
76.4 |
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主要国の政策金利等 |
国名 |
政策金利 |
コメントなど |
日本 |
0.1% |
4月26日、マネタリーベースを年間60~70兆円ペースで増加する金融政策を維持し、平成26年末には270兆円まで拡大。2年で2%の物価目標を達成すると言及。 |
米国 |
0.25% |
5月1日のFOMCで、政策金利の据え置くと発表。月850億ドルのMBSと米国債購入を継続。「どちらかと言えば改善傾向も、失業率は高い」「成長を抑制している」「購入ペースは減少または増加の用意がある」と前回より景気判断の表現が引下げられた。 |
ユーロ圏 |
0.50% |
5月2日、ECBは政策金利を0.25%引き下げ0.50%とすることを決定。利下げは昨年7月以来となる。下限金利の中銀預金金利はゼロ、上限金利の限界貸出金利も1.50%に据え置き。ドラギ総裁はマイナスの預金金利の可能性について言及し、「行動する用意はある」と語り、景気動向によっては追加的な利下げに踏み切る考えを示した。 |
英国 |
0.50% |
5月9日、BOEは、政策金利を過去最低の0.5%に据え置くことを決定。緩やかに景気が回復している兆候が表れるなか、次期総裁にカーニー・カナダ中銀総裁が7月に就任するまで、政策を温存させたい格好。金融政策委員会(MPC)はカーニー氏が就任する7月まで政策を維持するとの見通しを示した。 |
豪州 |
2.75% |
5月7日、RBAは政策金利を0.25%引き下げ2.75%とすることを決定。8日から適用する。利下げは昨年12月以来となる。インフレ率は低水準で自国通貨は歴史的高水準にあることから、RBAは景気下支えのために一段の緩和余地があることを示唆した。 |
南アフリカ |
5.00% |
3月20日、SARBは市場予想通り現行の5.00%に据え置くことを決定した。昨年7月に引下げられて以来4会合連続の据え置き。ギル・マーカス総裁は「前回の会合以来、国内経済は緩やかながら成長を試す展開だが、インフレ率の上昇や依然困難な状況が続く労使関係など、考慮するべき状況もあった」と言及。 |
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エフピー ’S Eye |
~中国貿易が拡大、活発に~
最近は、中国など新興国の経済成長が鈍化する中、金融緩和等で日米欧の株式市場へ資金が流入、マーケットを底上げしている向きがありますが、今回発表された中国4月貿易統計では、黒字幅が181.6億ドルとなり、事前予想161.5億ドルを上回りました。輸出入ともに大きく伸びており、貿易赤字となった3月に比べ活発さが戻ってきています。 |