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市場概況<2013年4月第1週>
〜新総裁率いる金融政策、市場が評価〜 

 4月1日(月)〜5(金)は、序盤イースターマンデーで史上が閑散とする中、リスク回避ムードが漂っていましたが、新総裁のもと初の日銀金融政策決定会合が行われ、想定以上の内容であったことから市場は好感。リスクオンムードが高まり、日経平均、ドル/円など急騰しました。
 週前半1(月)〜2(火)は、日経平均が一時300円超マイナスとなり一時12,000円台を割り込む場面があるなど軟調でした。イースターマンデーで市場が閑散としている中、米3月ISM製造業景況指数が弱い内容だったことから、NYダウは一時大幅下落、米10年債利回りも低下。ドル/円は一時92円台半ば付近まで急落、ユーロ/円は120円を割り込む場面もありましたが、黒田日銀総裁の「期待の転換を裏打ちする大胆な金融緩和をとる」との発言が相場を下支えし、その後、米製造業新規受注が予想より強い内容であることが伝わるとNYダウは14,662.01ドルと終値ベースで史上最高値を更新しました。4(木)、注目の黒田新日銀総裁率いる初の金融政策定会合が行われ、想定以上の協力な追加緩和が示されたことからドル/円は92円台後半付近から一気に94円台前半付近へ急騰、その後、95円台半ば付近まで駆け上がるなど主要通貨に対し円が独歩安、日経平均も急騰しました。本邦10年債利回りは過去最低を更新し、0.425%まで縮小。週末の5(金)に入ってからも勢いは衰えず、日経平均が寄り付きから急上昇、一時前日比+590円超の13,000円台を上抜け、ドル/円は97円台へ。本邦10年債利回りは、更に利回りが0.315%と過去最低を連日で更新。債券先物市場では、サーキットブレーカーが発動されるなど値動きの荒い展開でした。米国景気の先行きを占う3月雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想19.0万人に対し、結果8.8万人と弱い内容であったことが嫌気されましたが、前回の数字が上方修正されたことや失業率が予想7.7%に対し結果7.6%と強い内容だったことに支えられました。ドル/円は、2009年8月10日以来の最高値を97円70銭台、ユーロ/円は今年2月7日以来の127円台前半付近まで上昇。結局、週末最後の日経平均は、12,833.64円と、前週末比+435.73円(+3.5%超)で引け。NYダウは、14,565.25ドルと前週比△13.29ドルで取り引きを終えました。

 豪州は、中国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)が4か月ぶりに前月比でプラスとなったことや、豪2月貿易収支や小売売上高、住宅建設許可件数などの指標が予想より強い内容であるなど底堅さが確認されたことが、円売り地合いと相まって、豪ドル/円は100円の大台を突破し、101円台半ば付近まで上昇しました。

為替レート終値
 ドル/円 97.780円  豪ドル/円 101.655円
 ユーロ/円 127.200円  NZドル/円 82.42円
 ポンド/円 149.97円  南アランド/円 10.750円
 カナダドル/円  96.21円  スイスフラン/円 104.78円
※週末の東京金融取引所清算価格より
今後の注目指標
4月8日(月)
時間 注目点 予想 前回 

8:50
・日 2月国際収支・貿易収支 -6601億円 -1兆4793億円
4月9日(火)
時間 注目点 予想 前回 
17:30

23:00
・英 2月貿易収支

・米 2月卸売在庫(前月比)
-86億GBP

+0.5%
-81.95億GBP
+1.2%
4月10日(水)
時間 注目点 予想 前回 
27:00
27:00
・米 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
・米 3月月次財政収支
-
-1065億USD
-
-2040億USD
4月11日(木)
時間 注目点 予想 前回 
8:50
21:30
・日 3月国内企業物価指数(前年同月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
-0.4%
36.0万件
-0.1%
38.5万件
4月12日(金)
時間 注目点 予想 前回 
8:50
18:00
21:30
22:55
・日 2月第三次産業活動指数(前月比)
・ユーロ圏 2月鉱工業生産(前月比)
・米 3月小売売上高(前月比)
・米 4月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
+0.7%
+0.2%
0.0%
78.3
-1.1%
-0.4%
+1.1%
78.6
 主要国の政策金利等
 
 国名 政策金利   コメントなど
 日本  0.1% 4月4日、政策金利を据え置くと発表。金融緩和の枠組みに「量的・質的金融緩和」を導入。金融調節の操作目標を「無担保コール翌日物0」から「マネタリーベース」に変更し、年間60〜70兆円ペースで増加するよう調整する。平成26年末には270兆円まで拡大する見込。
 米国  0.25% 3月20日のFOMCで、政策金利の据え置くと発表。月間850億ドルのMBSと米国債購入を継続。財政政策はやや一段と引き締め的になってきた、経済見通しは下振れリスクがあると示した。
 ユーロ圏  0.75% 4月4日ECBは政策金利を0.75%で据え置くことを発表。下限金利の中銀預金金利ゼロ、上限金利の限界貸出金利も1.50%に据え置いた。ドラギ総裁は「今後数週間に入ってくる全てのデータを厳密に精査する。行動する用意がある」と利下げの可能性を示唆。
 英国  0.50% 4月4日、BOEは、政策金利を0.50%で据え置くことを決定。先月開始した中長期国債等の買い取りによる量的緩和は、予定通りのペースで継続する模様。
 豪州  3.00% 4月2日、RBAは、政策金利を3.00%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は「過去の利下げによる景気拡大効果が出ている」と示す。据え置きは3回連続。
 南アフリカ  5.00% 3月20日、市場予想通り5.00%、昨年7月に引下げられて以来4会合連続の据え置き。ギル・マーカス総裁は「前回の会合以来、国内経済は緩やかながら成長を試す展開だが、インフレ率の上昇や依然困難な状況が続く労使関係など、考慮するべき状況もあった」と言及。
 
エフピー ’S Eye
〜量的・質的金融緩和〜
黒田新総裁の就任後初の金融政策決定会合では、質・量ともに次元の違う「量的・質的金融緩和」の導入を決定し、「2年程度でインフレ率2%を達成」「2年でマネタリーベースを2倍に」「国債保有額と平均残存期間を2倍以上に」と、政策目標が分かり易く、市場とのコミュニケーションもとり易くなると評価。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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