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市場概況<2013年3月第4週>
〜キプロス支援に合意〜 

 3月25日(月)〜29(金)は、キプロス支援に一定の目途がつき、安堵感が広がりました。が、その後は、資金流出への懸念等が根強く、欧州関連の材料に一喜一憂する展開でした。
 25日(月)は、キプロスの支援条件をトロイカやユーロ圏財務省が承認したことから安心感が広がり、ユーロ/円は122円半ば付近から123円台後半付近まで急伸するなど、ドル/円、クロス円は堅調に推移、日経平均も寄り付きから底堅く、一時、先週末比+250円超を迎え週のスタートを切りました。しかし、キプロスの預金流出懸念が再燃したことや、キプロス議会金融委員会委員長による「ユーロ離脱の利益を評価する必要」との見解や、イタリア格下げの噂などが行交いリスク回避のユーロ売り、その後、ECBの「キプロスから緊急流動性支援の要請があれば反対しない」、ユーログループ議長の「キプロスは特別なケース」などの発言が伝わるとリスク回避の巻き戻しなどと、欧州関連の材料に一喜一憂しました。スペイン債やイタリア債利回りが、ドイツ債利回りとの差を広げたことや、ユーロ圏、米国経済指標が弱い内容だった場面はマイナス材料となりましたが、黒田日銀総裁が『質・量ともに大胆な金融緩和を推進』と発言するなど積極的な姿勢を示していることや、来週行われる日銀金融政策決定会合を控えていることは相場の支えになりました。本邦10年物国債利回りは、0.510%と9年9か月ぶりの水準。週後半は、主要市場がイースター休暇を控え閑散とする中、来週、米雇用統計やECB(欧州中央銀行)の政策金利発表、日銀金融政策決定会合などのビックイベントが控えており様子見ムードが広がりました。週末最後の日経平均は、12,397.91円と前週末比+9.38円、NYダウは、史上最高値を8営業日ぶりにつける場面もありましたが、結局、前週末比+66.51ドルの14,578.54ドルで取り引きを終えました。
為替レート終値
 ドル/円 94.195円  豪ドル/円 98.060円
 ユーロ/円 120.720円  NZドル/円 78.84円
 ポンド/円  143.14円  南アランド/円 10.210円
 カナダドル/円 92.63 円  スイスフラン/円 99.30円
※週末の東京金融取引所清算価格より
今後の注目指標
4月1日(月)
時間 注目点 予想 前回 
23:00 ・米 3月ISM製造業景況指数 51.3 54.2
4月2日(火)
時間 注目点 予想 前回 
12:30

17:00

17:30
18:00
23:00
・豪 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
3.00%で据え置くとの見方が大半
・ユーロ圏 3月製造業購買担当者景気指数(PMI,改定値)
・英 3月製造業購買担当者景気指数(PMI)
・ユーロ圏 2月失業率
・米 2月製造業新規受注(前月比)
3.00%

46.8

48.3
12.0%
+3.0%
3.00%

46.6

47.9
11.9%
-2.0%
4月3日(水)
時間 注目点 予想 前回 
18:00
21:15
23:00
・ユーロ圏 3月消費者物価指数(HICP、速報値)
・米 3月ADP雇用統計(前月比)
・米 3月ISM非製造業景況指数(総合)
+1.7%
15.8万人
54.4
+1.8%
19.8万人
56.0
4月4日(木)
時間 注目点 予想 前回 
17:00

20:00

20:45
21:30
・ユーロ圏 3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI,改定値)
・英 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
・ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
・米 前週分新規失業保険申請件数
46.4

+0.50%

+0.75%
38.5万件
46.5

+0.50%

+0.75%
35.7万件
20:45 チェック! 4日は、欧州中央銀行(ECB)政策金利発表されます。+0.75%で据え置くとの見方が大半です。 

4月5日(金)
時間 注目点 予想 前回 
21:30
21:30
・米 3月非農業部門雇用者数変化(前月比)
・米 3月失業率
19.0万
7.7%
23.6万
7.7%
 主要国の政策金利等
 
 国名 政策金利   コメントなど
 日本  0.1% 3月7日、政策金利を全員一致で据え置くと発表。資産買い入れ等基金の長期国債の購入について「期限を定めない買い入れ方式」を導入する案を提出したが、1対8の反対多数で否決。 景気は「下げ止まりつつある」から「下げ止まっている」へ上方修正。
 米国  0.25% 3月20日のFOMCで、政策金利の据え置くと発表。月間850億ドルのMBSと米国債購入を継続。財政政策はやや一段と引き締め的になってきた、経済見通しは下振れリスクがあると示した。
 ユーロ圏  0.75% 3月7日ECBは政策金利を0.75%で据え置くことを発表。ドラギ総裁は「世界経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えられ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と言及。
 英国  0.50% 3月7日、BOEは、政策金利を0.50%で据え置くことを発表。資産買い入れプログラムを、4,000億ポンドに引き上げる緩和観測が浮上していたが、3,750億ポンドと現状を維持することが決定。
 豪州  3.00% 3月5日、RBAは、政策金利を3.00%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は、過去の利下げの効果を見極める事が賢明とした上で、現在のインフレ見通しは、必要性があれば一段の金融緩和余地があると示した。
 南アフリカ  5.00% 3月20日、市場予想通り5.00%、昨年7月に引下げられて以来4会合連続の据え置き。ギル・マーカス総裁は「前回の会合以来、国内経済は緩やかながら成長を試す展開だが、インフレ率の上昇や依然困難な状況が続く労使関係など、考慮するべき状況もあった」と言及。
 
エフピー ’S Eye
〜長期債利回りから読む日本経済〜
日銀の強い緩和姿勢から、10年物国債利回りが低下し続けており、今週は9年9か月ぶりの0.51%の水準を迎えました。史上最低利回りは2003年6月11日の0.43%ですが、当時は小泉政権下、超緊縮財政が行われるの中、福井日銀総裁による量的緩和がほぼ同時に行われ長期債利回りの低下に繋がりました。日経平均は、2003年4月28日にバブル崩壊後最安値の7,608.68円を付けましたが、前述に加え、世界経済の回復も後押しとなり、安部政権下の2007年7月9日には18,261.98円まで上昇し、いざなぎ景気越えとなりました。現在の経済情勢と比較すると重なる部分が多いこともあり、今後の景気回復期待の一因になっています。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

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