トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2013年3月第3週












































































市場概況<2013年3月第3週>
〜キプロス不安高まり、再びユーロ問題勃発〜 
 3月18日(月)〜22(金)は、キプロスの財政懸念を巡った様々な思惑から不透明感が増しユーロ圏主導での相場展開でした。日経平均は連日乱高下、ドル/円には円高圧力となりました。
 週明けの国内市場は、週末のユーロ圏財務省会合で、キプロスへ100億ユーロ程度の支援策が決定され、支援条件に銀行預金への課税措置が盛り込まれていたことからユーロ圏への懸念が再び台頭、ユーロ/円は、一時121円台半ば付近へ下振れるなど、リスク回避のドル買い、円買いとなりました。ドル/円は93円台半ば付近まで下落。日経平均株価は寄り付きから大きく下げ、結局、前日比340円32銭安の12,220円63銭で週最初の取引を終えました。キプロス中銀総裁が「議会が預金課税案を承認すれば、ECBは必要な流動性を提供することを誓約している」と言及するなどの各国要人の発言や、独ZEW景況感調査が市場予想を上回ったことがサポートとなりましたが、イタリア政局不安やスペイン短期債入札を控えていることも足かせとなり戻りは限定的でした。キプロス議会での預金課税法案採決を前に、警戒感から米10年債利回りが低下、金先物に大口買いが観測されるなど、安全資産買い、リスク資産売りの流れが鮮明となりました。その後、キプロス議会が銀行預金課税法案を否決したことが伝わると、更なるリスク回避の様相が強まりましたが、ECBが「既定の範囲内でキプロスに流動性を供給する」との声明を発表したことや「キプロスポピュラーバンクがロシアの投資家に売却」との報道が支えとなりユーロに買いが先行しました。19〜20日にはFOMCが開催され、米経済が改善しても緩和策を継続するとの見解が伝わったことも好感されました。祝日明け21日(木)朝方、本邦2月通関ベース貿易収支が発表され、予想−8,559億円に対し、結果−7,775億円と予想より貿易赤字が縮小していたことや、麻生財務相が「今の段階で日銀法改正は必要ない」と言及する場面では、円が買われました。注目の日銀正副新総裁会見では、黒田新日銀総裁が「量的、質的の両面から大胆な金融緩和を進める」など言及しましたがインパクトに欠け反応は限定的。キプロス財務相が「要請したロシアの金融支援得られず」と伝えましたが、複数のキプロス議員が、今後の見通しを楽観的であることからリスク回避の巻き戻しも。本邦10年物国債利回りは、一時0.555%と約9年9か月ぶりの低水準になる場面もありました。日経平均は、週の半ばに年初来高値の12,650.26円と約4年半ぶりの高値で取引を終える場面もありましたが、結局、週末最後の取り引きは、先週末比約1.77%安の12,388.53円で引け。NYダウは、14,512.03ドルと先週末終値とほぼ同水準で取り引きを終えました。
為替レート終値
 ドル/円 94.465円  豪ドル/円 98.670円
 ユーロ/円 122.660円  NZドル/円 78.92円
 ポンド/円  143.94円  南アランド/円 10.145 円
 カナダドル/円 92.33 円  スイスフラン/円 100.44円
※週末の東京金融取引所清算価格より
今後の注目指標
3月25日(月)
時間 注目点 予想 前回 
- - - -
3月26日(火)
時間 注目点 予想 前回 
23:00
23:00
・米 3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
・米 3月リッチモンド連銀製造業指数
69.0 69.6
6
3月27日(水)
時間 注目点 予想 前回 
18:30
19:00
21:30
・英 第4四半期経常収支
・ユーロ圏 3月消費者信頼感(確定値)
・加 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)


+0.7%
-128億GBP
+0.1%
3月28日(木)
時間 注目点 予想 前回 
18:00
21:30
22:45
・ユーロ圏 2月マネーサプライM3(前年同月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 3月シカゴ購買部協会景気指数
 

56.2
+3.5%
33.6万件
56.8
3月29日(金)
時間 注目点 予想 前回 
8:30
21:30
22:55
・日 2月失業率
・米 2月個人消費支出(PCE)(前月比)
・米 3月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
+4.2% 
+0.5%
72.7
+4.2%
+0.2%
71.8
 主要国の政策金利等
 
 国名 政策金利   コメントなど
 日本  0.1% 3月7日、政策金利を全員一致で据え置くと発表。資産買い入れ等基金の長期国債の購入について「期限を定めない買い入れ方式」を導入する案を提出したが、1対8の反対多数で否決。 景気は「下げ止まりつつある」から「下げ止まっている」へ上方修正。
 米国  0.25% 3月20日のFOMCで、政策金利の据え置くと発表。月間850億ドルのMBSと米国債購入を継続。財政政策はやや一段と引き締め的になってきた、経済見通しは下振れリスクがあると示した。
 ユーロ圏  0.75% 3月7日ECBは政策金利を0.75%で据え置くことを発表。ドラギ総裁は「世界経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えられ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と言及。
 英国  0.50% 3月7日、BOEは、政策金利を0.50%で据え置くことを発表。資産買い入れプログラムを、4,000億ポンドに引き上げる緩和観測が浮上していたが、3,750億ポンドと現状を維持することが決定。
 豪州  3.00% 3月5日、RBAは、政策金利を3.00%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は、過去の利下げの効果を見極める事が賢明とした上で、現在のインフレ見通しは、必要性があれば一段の金融緩和余地があると示した。
 南アフリカ  5.00% 3月20日、市場予想通り5.00%、昨年7月に引下げられて以来4会合連続の据え置き。ギル・マーカス総裁は「前回の会合以来、国内経済は緩やかながら成長を試す展開だが、インフレ率の上昇や依然困難な状況が続く労使関係など、考慮するべき状況もあった」と言及。
 
エフピー ’S Eye
〜キプロス財政問題〜
3月15,16日のユーロ圏財務省会合にて、キプロスのGDP相当額でもある175億ユーロの必要額に対し100億ユーロの支援が合意され、不足分のうち58億ユーロを銀行預金への課税(6.75〜9.9%)で賄うとの異例な条件が付保。人口約80万人、GDPはユーロ圏全体のわずか0.2%ほどの小国であるため影響は軽微と考えられますが、ギリシャやスペインなどの周辺国へ懸念が広がることで、ユーロ圏全体が不安定になることが想定されます。キプロスとトロイカ、結びつきの強いロシアの今後の対応を見守りたいところです。ムーディーズ、S&Pによる格付けは投資不適格級。



尚、先々の相場展開などを保証するものではありませんので、
投資はご自身の判断にて行っていただくよう十分にご留意ください。

トップページ週刊!マーケット動向>市場概況2013年3月第3週