|
市場概況<2013年3月第2週> |
〜NYダウ 8日連続史上高値更新、日経平均は2008年9月の水準へ 〜
3月11日(月)〜15(金)は、株高・円安の動きが中心で、その後は材料出尽くし感から一服しました。日経平均株価は12,500円台と2008年9月8日以来の水準へ、ドル/円は一時96円台後半を目指す展開、NYダウは、8日連続史上最高値を更新しました。
週明けの国内市場は、先週の米雇用統計が強い内容となりNYダウが上値を追う展開だったことから、リスク先行でスタート。本邦機械受注は弱い内容でしたが、日経平均株価が底堅く推移していることや、日銀新体制発足後に臨時会合が開催されると一部で報道されたことから緩和期待が高まり、ドル/円は一時2009年8月以来の96円70銭付近まで上昇、3年7か月ぶりの水準となりました。その後は、米2月小売売上高(前月比)が、市場予想+0.6%に対し+1.1%と強い内容となるなど好材料もありましたが、米著名シンクタンクがレポートで「米金融緩和方針は維持されるとの見通し」と示したことやミシガン大学消費者信頼感指数が弱い内容だったこと、NYダウや欧州株が軟調なこと等から週末に向け円買いが進み、ドル/円は95円台前半付近へと下落しました。国内では、日銀正副総裁人事案が参議院で可決しましたが、マーケットへの影響は限定的でした。欧州では、ECBが来週のLTRO早期返済額が前回を上回ることが好感され、ユーロ/円は、一時1か月ぶり126円台を回復する場面もありましたが、ユーロ1月鉱工業生産が予想より弱い内容だったことや、イタリア国債入札が目標上限に届かなかったことから124円台前半付近まで売られました。
豪ドルは、米・中が景気回復する中、豪3月消費者信頼感指数や雇用統計が強い内容だったことから、豪ドル/円は一時99円台半ば付近まで上値を追う場面も。結局、日経平均は、前日比+179.76円の12,560.95円と12,500円台を3年7か月ぶりに回復。2009年8月以来の水準で取引を終了しました。NYダウは、週末最後の取引において、前日比−25.03ドルと続騰ならず14,514.11ドルで引けました。 |
|
為替レート終値 |
ドル/円 |
95.355円 |
豪ドル/円 |
99.265円 |
ユーロ/円 |
124.540円 |
NZドル/円 |
78.89円 |
ポンド/円 |
143.96 円 |
南アランド/円 |
10.355 円 |
カナダドル/円 |
93.58円 |
スイスフラン/円 |
101.51円 |
※週末の東京金融取引所清算価格より
|
今後の注目指標 |
3月18日(月)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
19:00
21:30 |
・ユーロ圏 1月貿易収支
・加 1月対カナダ証券投資額
|
-35億EUR
78.5億CAD |
108億EUR
-19.2億CAD |
18日、英国株式市場はセントパトリックデー(振替)のため、休場です。 |
3月19日(火)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
18:30
19:00
21:30
|
・英 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)
・ユーロ圏 1月建設支出(前月比)
・米 2月建設許可件数(前月比) |
+0.7%
%
+2.3% |
-0.5%
-1.7%
-0.6% |
チェック! 19日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催初日です。
また、豪準備銀行(中央銀行)金融政策会合議事要旨が公表されます。 |
3月20日(水)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
18:00
18:30
24:00
|
・ユーロ圏 1月経常収支
・英 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
・ユーロ圏 3月消費者信頼感(速報値)
|
-23.2
|
139億EUR
-23.6 |
チェック! 20日は祝日のため国内株式市場は休場です。
25:30に米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後、政策金利が発表されます。0-0.25%に据え置くとの見方が大半です。 |
3月21日(木)
時間 |
注目点 |
予想 |
前回 |
8:50
18:00
18:30
21:30
23:00 |
・日 2月貿易統計(通関ベース)
・ユーロ圏 3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
・英 2月小売売上高指数(前月比)
・米 前週分新規失業保険申請件数
・米 3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 |
-8559億円
48.2
+0.4%
34.0万件
-3.0 |
1兆6309億円
47.9
-0.6%
33.2万件
-12.5 |
3月22日(金)
|
|
主要国の政策金利等 |
国名 |
政策金利 |
コメントなど |
日本 |
0.1% |
3月7日、政策金利を全員一致で据え置くと発表。資産買い入れ等基金の長期国債の購入について「期限を定めない買い入れ方式」を導入する案を提出したが、1対8の反対多数で否決。
景気は「下げ止まりつつある」から「下げ止まっている」へ上方修正。 |
米国 |
0.25% |
1月30日のFOMCで、政策金利の据え置くと発表。米国債とMBSを毎月合計850億ドル購入の継続。失業率6.5%に低下するまで異例な低金利を継続。しかし金融緩和が金融の不均衡を増大させると反対する委員も。 |
ユーロ圏 |
0.75% |
3月7日ECBは政策金利を0.75%で据え置くことを発表。ドラギ総裁は「世界経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えられ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と言及。 |
英国 |
0.50% |
3月7日、BOEは、政策金利を0.50%で据え置くことを発表。資産買い入れプログラムを、4,000億ポンドに引き上げる緩和観測が浮上していたが、3,750億ポンドと現状を維持することが決定。 |
豪州 |
3.00% |
3月5日、RBAは、政策金利を3.00%で据え置くことを決定。スティーブンス総裁は、過去の利下げの効果を見極める事が賢明とした上で、現在のインフレ見通しは、必要性があれば一段の金融緩和余地があると示した。 |
南アフリカ |
5.00% |
1月24日、市場予想通り5.00%で据え置くことを決定。昨年7月に1年8カ月ぶりに0.5%引下げられた後、3会合連続となる。全会一致。 |
|
|
エフピー ’S Eye |
〜海外投資家、17週連続買い越し〜
海外投資家は国内株式売買高の6〜7割を占めるため、国内株式の行方を追う上でその動きは押さえておきたいところです。3月第1週(4〜8日)の海外投資家の買い越し額は、1兆172億円と週ベースで統計を取り始めて初の1兆円を超えました。2005年の小泉政権では、郵政解散時に26週連続で買い越されており、17週時点の累計では5兆2500億円でした。今回の3月第1週までの17週買い越し額は5兆2100億円。アベノミクスでマインドが上昇する中、企業賃金引き上げ等も検討されており、海外投資家の期待も更に高まっている様子が伺えます。 |